1998 Fiscal Year Annual Research Report
減量食と有酸素運動により減量する際の重量挙選手の適切な蛋白質摂取量に関する研究
Project/Area Number |
09680132
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Research Institution | Aichi University |
Principal Investigator |
松岡 弘記 愛知大学, 現代中国学部, 助教授 (50261003)
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Keywords | 減量 / 蛋白質摂取量 / 減量食 / LBW / 重量挙 / 減量プログラム |
Research Abstract |
本研究の目的は、重量挙選手が20日間で減量する際の適切な蛋白質摂取量を明らかにすることであった。被検者は、大学男子重量挙選手で実験Iに5名と実験IIに4名が参加した。減量プログラムは減量食と有酸素運動を組み合わせ、エネルギーバランスを-1000kal・day^<-1>にした。減量食は、実験Iでは蛋白質を1.8g・kg^<-1>・day^<-1>とし、実験IIでは2.3g・kg^<-1>・day^<-1>とし、脂肪はエネルギー比の24%以下に押さえて残りを炭水化物とし、摂取するエネルギーを850kcal・day^<-1>マイナスにした。有酸素運動は、1回当たり300kcalを消費する最大酸素摂取量の50%程度のトレッドミル走を週に3日、計10回行った。また、減量食の調理は検者らが行い、減量期間中の毎日の栄養調査により、蛋白質の摂取量は実験1では1.8g・kg^<-1>・day^<-1>となり、実験IIでは2.3g・kg^<-1>・day^<-1>となったことが確認できた。その結果、20日間の減量プログラムにより、実験Iでは体重は2.06kg(1.38〜2.43kgの範囲)減少し、体重減少分に占める除脂肪体重(以下LBW)の割合は32.0%となったものの、その範囲は0.0%〜49.1%と大きな個人差があった。実験IIでは体重は1.81kg(0.58〜3.23kgの範囲)減少し、体重減少分に占めるLBWの割合は5.5%(0.0%〜22.0%の範囲)となった。また、減量後の尿中総窒素量から推察した窒素出納は、両実験とも正出納(実験I0.03〜3.68gの範囲、実験II0.64〜2.13gの範囲)となった。一方、運動諸機能は両実験とも減量前の水準を十分に維持した。本研究の実験Iの減量プログラム(1.8g・kg^<-1>・day^<-1>)では、LBWの減少に大きな個人差があり、減量時の蛋白質摂取量として適切ではなかった。また、実験IIではLBWが十分に維持され、同一条件で2.0g・kg^<-1>・day^<-1>を用いた減量プログラムと同じ結果が得られ、重量挙選手の減量食と有酸素運動を用いた減量プログラムには2.0g・kg^<-1>・day^<-1>以上の蛋白質摂取量が適切であると結論づけられた。
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