1997 Fiscal Year Annual Research Report
競技スポーツ経験の人生に及ぼす影響について-大学女子競技者について-
Project/Area Number |
09680140
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Tokyo Women's Junior College of Physical Education |
Principal Investigator |
雨ヶ崎 俊子 東京女子体育短期大学, 児童教育学科, 教授 (40167953)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿江 美恵子 東京女子体育短期大学, 保健体育学科, 助教授 (30192842)
掛水 通子 東京女子体育大学, 体育学部, 教授 (20096663)
|
Keywords | 女性エリート競技者 / スポーツキャリア / 競技引退 / 質問紙調査 |
Research Abstract |
本研究は三年間で実施するものであり、第一年目の本年度は、第一にT女子体育大学・同短期大学に在学中あるいは卒業後日本を代表して主要国際大会に出場したエリート競技者を対象に、一流女性競技者の社会に置かれた状況を検討した。第二に運動部所属卒業生をランダムに抽出しエリートではない競技者を対象に、大学時代のスポーツの関わりから競技スポーツの女性に与える影響について考察した。方法は何れも質問紙調査を実施した。 エリート競技者117名(回収率65%)の競技継続の状況は、競技を継続した者と引退した者はほぼ同数であった。競技継続者は内発的な動機に基づいて継続している。競技引退者は競技を継続したいが多様な理由で自ら引退を選択している。日本の選手育成の現状では競技が継続できる社会環境が種目によって整っていないこともあり、競技者自身が卒業を引退の契機にする様子が伺える。卒業後の有職者の約80%が体育関係職で、他は競技継続中転職する者が多く、教員以外は引退が退職という場合が多い。早期引退者が多いため結婚年齢は一般女性と大差はない。エリート競技者であっても引退-退職・結婚の図式となっている。 エリートではない競技者223名(回収率34.15%)の過去のスポーツキャリアは中学校からスポーツを開始しており、同一種目継続型より異種目継続型が多く、開始の動機は外発的動機づけが多くみられる。部活動の継続については、やめたい思ったことがある者6割を占めその要因は部活動に付随するものである。競技を継続したことは半数以上の者が肯定的に評価している。勉学との両立では苦労した者としない者は半々であり、在学中にもっと学習したかったことはスポーツ理論を中心にさまざまな要望が示された。大学卒業後は7割が競技引退をしているが、他方、実業団に就職する者の割合が近年少しずつ上昇してきている状況である。
|