1998 Fiscal Year Annual Research Report
競技スポーツ経験の人生に及ぼす影響 -大学女子競技者について
Project/Area Number |
09680140
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Research Institution | Tokyo Women's Junior College of Physical Education |
Principal Investigator |
雨ヶ崎 俊子 東京女子体育短期大学, 児童教育学科, 教授 (40167953)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿江 美恵子 東京女子体育短期大学, 保健体育学科, 助教授 (30192842)
掛水 通子 東京女子体育大学, 体育学部, 教授 (20096663)
雨ヶ崎 俊子 東京女子体育短期大学, 児童教育学科, 教授 (40167953)
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Research Abstract |
本研究は前年に続き第二年目である。T女子体育大学の8運動部のうち、一流競技者(チャンピオンスポーツ層)を除いた運動部所属卒業生(クラブスポーツ層)を対象に質問紙調査を実施した。 第一に卒業後どのような人生を送っているかを検討した。卒業後の就業状況であるが、最初の職業は全体で体育教師が半数弱で最多である。近年は20代、30代でスポーツコーチ・トレーナー(民間)、会社員などが増えパートタイムで不安定な就業形態が多い。時代を反映して体育教師の就業は徐々に困難になってきていることと一致している。職業継続状況は「現在も継続」が最も多く、その比率の高さは教師が多いところに要因があるとみられる。結婚年齢は平均で26歳、一流競技者よりクラブ競技者の方が早期結婚率が高いものの、一方で未婚率も高い。 第二に競技スポーツ経験が人生に及ぼす影響を20代、30代、40代、50・60代の年代別に考察した。大学生活で競技スポーツと勉学の両立についてみると、苦労した者は20代で約6割、苦労しないとする者は50・60代で約7割と最も高い値を示し、若年代程苦労したとしている。競技スポーツ経験はその後の生活に役立ったとする者は全体で9割、20代、30代はそれぞれ9割を超えており、大学時代における競技スポーツ経験は大きく優位に意識し効果大と高く評価している者が殆どである。具体的には「精神的に強くなった」「人間関係に自信をもてた」「好きな職業に就けた」「健康になれた」など、スポーツの内在する身体的、社会的、文化的側面が統合されて人間的成長を助け、その後の人生に大きく良い影響をもたらしている。大学卒業後の生活でスポーツを実際に行っている者は各年代とも7割から8割であり、40代、50代でやや減少の傾向をみるが、全体として本競技者たちは各年代に応じてスポーツを行っている状況である。
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