Research Abstract |
本年度は,高校生について,生活習慣,ならびに生活状況調査を実施し,生徒の日常生活の実態を捉えようとした。具体的には,高校生の現在の健康状態・日頃の不定愁訴・集中力・生活意欲や食生活の実状,生活時間とその内容については,睡眠や生活活動状況をアンケート調査した。さらに,現在の体力を支えていると考えられる過去の運動歴,自己体力に対する満足度と体力の自己評価,運動の過不足等についても調査した。 また,生活リズムの指標をHorneらの区分した「朝型」・「中間型」・「夜型」の生活リズムにもとめ,それぞれのタイプについて,1日の自覚症状の発現状況を比較した。さらに,運動,とくに体育授業による主観的な自覚症状の発現の変動を検索し,一方では,客観的生体指標をFlicker値・握力値にもとめた。この自覚症状の発現の背景として,各人の体力の要素を体力診断・運動能力テストの成績,Lean body mass(除脂肪量)にもとめ,検討を加えた。 その結果として,現在の健康状態を決定した理由としては,「元気よく活動できるかどうか」「病気にかかりやすいかどうか」「疲れても,休息により回復するかどうか」が主な項目であった。また,健康状態の良否は,日頃の集中力,生活意欲に関わっており,体力の自己評価,体力テストの成績にも関与していた。 生活リズムについては,覚醒時の「だるさ」「食欲」「早朝の運動の可能性」「就寝時刻」に影響を及ぼすものであり,体力維持・管理のためには,生活リズムの固定化の必要性が示唆されるとともに,体力の向上を運動時の自覚症状,Flicker値の変動,握力値の変動の面からも捉えることができた。
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