1998 Fiscal Year Annual Research Report
女子持久性競技者のエネルギー代謝に及ぼす身体組成と栄養の影響
Project/Area Number |
09680146
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Research Institution | National Institute of Health and Nutrition |
Principal Investigator |
樋口 満 国立健康・栄養研究所, 健康増進部, 室長 (20192289)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川野 因 日本女子体育大学, 体育学部, 講師 (80277681)
根本 勇 日本女子体育大学, 体育学部, 助教授 (40156162)
吉武 裕 国立健康, 栄養研究所・健康増進部, 室長 (00136334)
田畑 泉 国立健康, 栄養研究所・健康増進部, 室長 (20188402)
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Keywords | 女性ランナー / 基礎代謝量 / 身体組成 / 栄養摂取状況 |
Research Abstract |
日常的に高強度トレーニングを行っている女性ランナーの基礎代謝量を明らかにし,運動習慣のない一般女性と比較するとともに,エネルギー代謝に影響を及ぼす可能性のある身体組成と栄養状態、月経状況との関係を検討することを目的として研究を行った。被検者は実業団女子陸上長距離ランナー13名,高校生女子長距離ランナー10名および一般女子大学生9名であった。基礎代謝量は呼気ガス採取による間接法、体脂肪率は空気置換法(BOD POD)、最大酸素摂取量はトレッドミルによる漸増負荷法、食事調査は3日間の食事記録法、月経状況はアンケート法、血液検査は貧血指標および内分泌指標を測定した。 体脂肪率は一般女子大学生と比較して実業団および高校生ランナーでは有意に低値を示したが、LBMは3群間で差は認められなかった。一日あたりの基礎代謝量は実業団ランナー、高校生ランナーともに一般女子大学生と比較して有意な差は認められなかった。また、体重あたりでは実業団ランナーが高値を示したものの有意ではなく、高校生ランナーと=般女子大学生には差が認められなかった。さらにLBMあたりでみると、3群間に差は認められなかった。よくトレーニングされた女性選手は一般女性と比較して、体重あたりの基礎代謝量が高く、安静時の除脂肪体重あたりのエネルギー代謝が亢進している可能性も示俊されているが、本研究では、女性ランナーにおける基礎代謝量の亢進は認められなかった。 本研究では栄養摂取状況と基礎代謝量との間には特別な関係は認めらなかった。身体組成との関係を検討すると,体重およびLBMと基礎代謝量との間に有意な正の相関関係が認められた。また、被検者の月経状況により比較すると,LBMあたりの基礎代謝量が月経異ランナーで有意に低値を示した。本研究では女性競技者のうち体格の比較的小さいランナー群を対象としたが、体格,LBMともに大きいスポーツ種目の選手との比較や個人差について、人数を増やして検討していくことが、今後の課題と思われる。
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