1997 Fiscal Year Annual Research Report
選挙制度の変化に伴う政治地域構造の再編成に関する政治地理学的研究
Project/Area Number |
09680149
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
高木 彰彦 茨城大学, 人文学部, 教授 (90197054)
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Keywords | 政治地理学 / 選挙地理学 / 第41回衆議院総選挙 / 選挙区の地域特性 |
Research Abstract |
交付申請書に記した三つの目的のうち、本年度は1994年の選挙制度改正に伴う政治地域構造の再編過程を明らかにすることを目標として研究を進めた。そのための前提作業として、1996年10月に行われた第41回衆議院総選挙の結果の概要を把握した。この分析は、研究代表が昨年度まで進めてきた科学研究費補助金による基盤研究A(1)『国際社会における現代日本の政治地理学的研究』(課題番号07308005)の成果の一部である、衆議院小選挙区の分類と対応させることによって行われた。すなわち、7つに分類された選挙区ごとに政党別得票率や立候補者数、当選者数などを検討した。その結果、たとえば得票率においては、自民党は農村や農村工業タイプの選挙区で高く、大都市中心地区や大都市郊外地区で低い、共産党や民主党はその逆のパターンを示すとか、寄り合い所帯的な性格をもつ新進党の場合はいずれのタイプの選挙区においても同程度の得票を示すなどの特色がみられ、選挙区のタイプと選挙結果との間に関連性が見られることが明らかになった。 しかし、小選挙区の場合、個々の選挙区の選挙事情の違いがこうした関連性を歪める場合もあり、個別の選挙区の事例分析が必要である。上述の目的を達成するためにも、個々の選挙区を事例としたインテンシブな研究は必要である。そこで、本年度はそのための準備作業として、茨城県および愛知県のいくつかの選挙区の事情把握を主として文献調査により行い、若干の現地調査も進めた。たとえば茨城県のある選挙区では、中選挙区制下で保守系代議士の代理戦争が長らく見られたが、選挙区の変更によりそうした対立が解消するなどの変化が見られている。来年度は、こうした事例研究を中心に進めていきたい。
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Research Products
(1 results)