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1997 Fiscal Year Annual Research Report

近世瀬戸内干拓新田地帯における綿作率の地域差に関する歴史地理学的研究

Research Project

Project/Area Number 09680157
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Research InstitutionAichi University of Education

Principal Investigator

岩崎 公弥  愛知教育大学, 教育学部, 助教授 (80135392)

Keywords綿作 / 瀬戸内 / 干拓新田 / 綿作率 / 近世 / 地域差 / 歴史地理学 / 綿織物業
Research Abstract

今年度は、主に倉敷、岡山、児島郡、福山周辺の地方資料の収集を行った。瀬戸内の干拓新田地帯では、近世後期、特に文化年間頃より綿織物業の普及が認められる。特に農村部における白木綿の生産は、他地域に遅れていたため先進地より技術を導入することによって、新たな段階に入ろうとしていたことがわかった。その前提となる綿作は、文化・文政期において、瀬戸内新田地帯では、順調な発展を遂げており、実綿のまま他国へ売り払われるまでに生産の増加が伺えた。
たとえば興除新田の場合は、文政期に開発完成後、新開地の塩分減少に伴って30%程度の綿作率を達成している。その他にも多数地域の村々の綿作資料の収集を行った。当地域の新田経営が米麦を中心とする主穀生産のほかに、綿・菜種・藍・砂糖などの商品作物生産が広範に展開していたことが、あらためて明らかとなった。なかでも新田においては、畑方での綿作率が高く、たとえば備中連島村や大江村では、70〜80%に達するところもあるなど、畑作物の中心的地位を占めていた。新田地帯における綿作率の地域差は、新田開発時期の差、水利条件を含めた土地条件の違いなどと関連していることが、現在の時点では予想されている。またなかには水田での綿作すなわち田方綿作の記事も資料中に散見されるので、これについても興味ある事象として検討を加えていきたい。
今後は、さらに各地の綿作資料を収集し、綿作率と土地条件、綿作の発展と木綿生産の動向とを関係づけながら、瀬戸内新田地帯の綿作の地域差の究明を進めていく予定である。

URL: 

Published: 1999-03-15   Modified: 2016-04-21  

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