1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09680169
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Nagasaki |
Principal Investigator |
石川 雄一 長崎県立大学, 助教授 (00232273)
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Keywords | 都市地理学 / 都市圏 / 郊外化 / 多核化 |
Research Abstract |
わが国の都市圏における多核化の動向と郊外核の特性を検証するために、今年度は東京大都市圏、京阪神大都市圏、名古屋都市圏、福岡都市圏の4つの都市圏における次のような二つの分析をすすめた。 まず1981年および1991年の事業所統計調査・分割メッシュ統計を利用して、各都市圏における第3次産業従業人口が、この10年間に空間上でどのように変化したのかを検討した。いずれも分析の途中で部分的な結果の抽出ではあるが、集積の利益を求めてこれまで都心域に集中しがちであった第3次産業従業人口が、周辺地域すらわち郊外地域に広がる傾向がみられ、さらに検討をすすめると、郊外核を形成していると思われるメッシュ上への集中傾向が見られ、分散的な単なる雇用の郊外化ではなく、ここに雇用の多核化の進展が認められることが示された。とりわけ東京大都市圏と京阪神大都市圏でそうした傾向が強いことが認められた。 また京阪神大都市圏のうち、第3次産業分野における雇用の郊外化が親展している北部セクター(大阪府北西郊外)の主要郊外核と、都心域との就業構造の違いを検討するために、1991年の事業所統計調査のうち調査区単位の特性資料を用いた分析を行った。その結果、経済活動を中心として類似の機能特性を有する主要郊外核と都心域とでは、女性就業比率や常雇比率などで相違がみられることが示され、郊外核が、これまでの都市域の成長とは異なる過程をたどってりることが示唆された。
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