1998 Fiscal Year Annual Research Report
後氷期の重要地質事象に関する高精度年代測定の実用化に関する研究
Project/Area Number |
09680177
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
奥村 晃史 広島大学, 文学部, 助教授 (10291478)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八木 浩司 山形大学, 教育学部, 助教授 (40292403)
鈴木 毅彦 東京都立大学, 理学部, 助手 (60240941)
鈴木 康弘 愛知県立大学, 文学部, 助教授 (70222065)
中村 俊夫 名古屋大学, 年代測定資料研究センター, 助教授 (10135387)
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Keywords | 放射性炭素同位体年代測定 / 高精度年代測定 / 後氷期 / 断層運動 / テフラ / 周氷河現象 / 年輪年代 / 補正年代 |
Research Abstract |
後氷期広域示標テフラ噴出年代の高精度年代決定を中心に研究をすすめた.対象とした地域および対象は,東北地方北部(白頭山-苫小牧火山灰・十和田-a火山灰),伊豆(カワゴ平火砕流-火山灰),諏訪湖湖底堆積物(糸魚川-静岡構造線活断層系の活動史解明)である.白頭山-苫小牧火山灰については,白頭山北麓で採取された48枚の年輪をもつ炭化樹木試料から3点の加速器質量分析計年代測定を行い,その結果と十和田カルデラ外輪で採取された十和田-a火山灰中の小枝の高精度年代とあわせてWiggle Matchingを行った.その結果からは白頭山-苫小牧火山灰の噴出時期が9世紀に遡る可能性が高いことが示された.カワゴ平火砕流の噴出年代は425枚の年輪をもつ樹幹試料で行った5点の高精度年代測定にもとづくWiggle Matchingから,1171BC[3120 Cal.BP]前後と推定された.諏訪湖の湖底試料の連続的な年代測定値をもとに,諏訪湖湖底および周辺の活断層を震源とする地震の平均再来間隔を約1000年と推定した.この推定値は諏訪盆地の陸上で実施されたトレンチ調査から推定されている3000〜5000年の平均的な地震再来間隔に較べて著しく短い.これらの成果について,1998年12月,アメリカ合衆国サンフランシスコで開催されたアメリカ地球物理学会1998年秋季大会において,奥村が研究発表を行った.また,これらの成果は1999年8月に南アフリカ共和国Durbanで開催される国際第四紀研究連合第15回大会においても報告される予定である.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] K.Okumura,K.Saito,H.Fukuzawa,K.Mizuno,and O.Fujiwara: "High-resolution Multi-proxy Analyses and Dating of Lake Deposits Affected by Recent Faulting Event : a Case Study of Lake Suwa on the Itoigawa-Shizuoka Tectonic Line (ISTL),Central Japan" EOS,Transaction,American Geophysical Union. 79・45. F614 (1998)
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[Publications] D.P.Schwartz,D.Pantosti,K.Okumura,T,J.Powers,and J.C.Hamilton: "Paleoseismic investigations in the Santa Cruz mountains,California : Implications for recurrence of Large-magnitude earthquakes on the san Andreasfault" Journal of Geophysical Research. B103. 17985-18001 (1998)
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[Publications] 中村俊夫・丹生越子・ルディ パルス: "最新型のタンデトロン加速器質量分析装置を用いた14C濃度の高精度測定について" 名古屋大学加速器質量分析計業績報告書. X. 印刷中 (1999)
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[Publications] 中村俊夫: "加速器質量分析(AMS)による宇宙線生成放射性同位体の測定と若い地質年代測定への応用" 地質学論集. 49. 印刷中 (1998)
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[Publications] 水野一晴・中村俊夫: "ケニア山,Tyndall氷河における環境変遷と職制の遷移" 地学雑誌. 108. 18-30 (1999)
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[Publications] Sato,H.,Kumano,S.,Maeda,Y.,Nakamura,T.,and Matsuda,I.: "The Holocene development of Kushu Lake on Rebun Island in Hokkaido,Japan" Journal of Paleoclimatology. 20. 57-69 (1998)