1998 Fiscal Year Annual Research Report
日本列島における岩石氷河とその古環境学的意義に関する研究
Project/Area Number |
09680179
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
岩田 修二 東京都立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60117695)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 周二 東京都立大学, 理学研究科, 助手 (80295469)
高岡 貞夫 東京都立大学, 理学研究科, 助手 (90260786)
鈴木 毅彦 東京都立大学, 理学研究科, 助手 (60240941)
三浦 英樹 国立極地研究所, 助手 (10271496)
松岡 憲知 筑波大学, 地球科学系, 助教授 (10209512)
|
Keywords | 岩石氷河 / 日本列島高山帯 / 山岳永久凍土 / 空中写真図化大縮尺地形図 / 電気探査 / 古環境 |
Research Abstract |
1) 岩石氷河の形態を明らかにするための,空中写真による大縮尺地形図(1:2000)を昨年度に引き続いて作成した. 2) 内部に氷体あるいは永久凍土が存在するかどうかについて明らかにするため,地温センサー・記録計・積雪深計を立山内蔵助カール,穂高岳中岳の岩石氷河に設置し,一年間観測を継続した.さらに,立山内蔵助カールの岩石氷河上で電気探査をおこなった.これらの結果,内蔵助カールの岩石氷河の一部では永久凍土が存在することが明らかになり,この岩石氷河はinactive rock glacierであることがほぼ確実になった. 4) 昨年度,空中写真の判読によって発見した飛騨山脈の野口五郎岳,黒部五郎岳,立山内蔵助カール,穂高岳中岳・天狗原・大きれっとカール,薬師岳東面カール,野口五郎岳,黒部五郎岳,赤石山脈の三峰岳,北海道の大雪山系忠別岳,日高山脈幌尻岳などで,岩石氷河の周辺にある岩屑地形の成因について検討した.その結果,それらは,プロテーラスランパートやモレーンであることが判明した. 5) 研究代表者の岩田は,ネパールヒマラヤや,プータンヒマラヤなどの岩石氷河および周氷河地形の総括的報告をおこなった.その結果,それらの地域における岩石氷河の分布と永久凍土との分布との関係が明らかになった. 6) 研究分担者の松岡は,岩石氷河の流動のメカニズムを明らかにするために,周氷河環境での凍結現象,凍上現象,クリープ現象についての研究をおこない,岩石氷河の流動メカニズムがあきらかになりつつある.
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] 岩田修二: "北上山地での周氷河プロセス研究の特徴" 地形. 19・4. 265-271 (1998)
-
[Publications] 岩田修二: "ヒマラヤの氷河変動:ヒマラヤ山脈・チベット高原の氷河作用" 地学雑誌. 106・2. 302-304 (1997)
-
[Publications] Matsuoka, Norikazu: "The relationship between frost heave downslope soil movement : Alps Field measurements in the Japanese" Permafrost and Periglacial Processes. 9. 121-133 (1998)
-
[Publications] Matsuoka, Norikazu: "Modelling frost creep rates in an Alpine environment" Permafrost and Periglacial Processes. 9. 397-409 (1998)
-
[Publications] 貝塚爽平: "世界の地形" 東京大学出版会, (1997)
-
[Publications] Lewkowicz, A.G.: "Proceedings of the Seventh International Conference on Permafrost (June 23-27, 1998, Yellow Knife, Canada)" Centre detudes nordiques, Universite Laval, Sainte-Foy, (1998)