1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09680181
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
鈴木 隆介 中央大学, 理工学部, 教授 (60055168)
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Keywords | 網状度 / 河床変動 / 低地河川 / 人工河川 / 河川災害 / 日本列島 |
Research Abstract |
今年度(平成10年度)は、新旧1/5万地形図により,日本全国の34河川の網状度の時空的変化を定量的に把握し,屈曲度など他の地形量および河床堆積物の粒径などとの関係を基礎に,その変化の原因を検討した.また,路形態の特徴により,対象河川を扇状地型・均整型・非均整型に分類した. 今年度の研究によって得られた主な知見をまとめると次のようになる. 1. 明治時代には,網状度は河床勾配が1×10^<-3>程度のときに最大であり,それより急勾配および緩勾配になると急減し,とくに緩勾配ではその減少傾向が著しい.現在も明治時代と同様の変化傾向であるが,均整型では網状度の最大値が明治時代よりも減少している.一方,扇状地型では網状度が明治時代よりも著しく増加している. 2. 明治時代には,屈曲度は河床勾配が1×10^<-3>〜1×10^<-4>のときに最大であり,とくに非均整型と盆地尻区間で大きい.現在では,河道改修が進んだ結果,屈曲度は大きく減少しており,明治時代と同様の変化傾向はみられなくなった. 2. 堰の上流・下流のそれぞれ1km以内の区間における,堰の建設以前と建設後の網状度を比較すると,上流・下流とも扇状地区間における網状度の増加が著しく,河床勾配が大きいほどその傾向は顕著である. 3. 河道改修により堤外地間隔が縮幅・拡幅された区間では,網状度が減少・増加していると予想されるが,データは著しくばらついている,これは河床勾配や堰建設などの複合効果と考えられる. 4. 河床堆積物の粒径が礫から砂に不連続的に減少する区間で網状度は最大となる.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 鈴木,隆介: "土木的時間と空間の拡張" 土木学会誌. 83・1. 124-127 (1998)
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[Publications] 鈴木,隆介: "河川網状度の時空的変化" 地形. 20・2(印刷中). (1998)
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[Publications] 鈴木,隆介: "河川網状度および屈曲度の時空的変化" 地形. (発表予定).
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[Publications] 鈴木,隆介: "建設技術者のための地形図読図入門 第2巻 低地" 古今書院, 354 (1998)