1997 Fiscal Year Annual Research Report
初等・中等教育における合理的な放射線・放射能の教育法に関する調査研究
Project/Area Number |
09680197
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
安齋 育郎 立命館大学, 国際関係学部, 教授 (40010045)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
恵 和子 大阪府立大学, 先端科学研究所, 教授 (60090437)
多田 順一郎 高輝度光科学研究センター, 放射光研究所, 室長 (40163464)
下 道國 立命館大学, 放射線医学総合研究所, 部長 (90023209)
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Keywords | 放射線 / 放射能 / 初等教育 / 中等教育 / 教育手法 / 教材開発 |
Research Abstract |
放射線や放射能は現代社会で広く利用されていながら、日本人の原水爆被災体験ともかかわって科学的な理解が阻害されてきた。研究代表者らは、研究計画に則り、初等・中等教育の全教科の教科書および主要な用語辞典・参考図書・副読本を収集し、研究分担者と共同して放射線および放射能についての記述に関する実態分析を行った。その結果、以下のことが示唆された。 (1)放射線・放射能は、科目的には中等教育の理科を中心に扱われているが、原水爆や原発事故などの社会的事件の説明に関連して、放射線や放射能について学習しないうちにそれらにまつわる社会的事件が取り上げられる面があること。 (2)科学的概念の説明に特定の価値観を前提としたものが見られること。 (3)放射線と放射能は全く異なる概念だが、それらの区別が判然としない説明が多いこと。 (4)放射線の「減弱」や、放射能の「減衰」の概念を理解させる教材が乏しいこと。 (5)その意味においても、放射線や放射能についての分かりやすい検証実験が教室で手軽に行える手法や教材を開発する必要があること。 これらの認識を踏まえて、以下の2点を検討した。 (1)放射線や放射能についての発達段階別の好ましい説明のあり方を検討した。 (2)市販のガイガ-計数管キットの組み立て試験等を実施し、初等・中等過程での利用に伴う問題点を検討するとともに、理解を助けるための簡便なデモンストレーション教材の検討を行った。 今後は教育現場の教師たちの意見を反映して完成度の高い教育資料の開発を進め、成果の取りまとめと普及に取り組むこととしている。
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Research Products
(1 results)