1997 Fiscal Year Annual Research Report
生物に及ぼす紫外線の作用に関する環境教育のための教材開発
Project/Area Number |
09680205
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka Prefectural Education Center |
Principal Investigator |
松田 仁志 大阪府教育センター, 科学教育部・理科第二室, 総括研究員 (00125262)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江坂 高志 大阪府教育センター, 科学教育部・理科第二室, 主任研究員 (30150238)
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Keywords | 環境教育 / 教材開発 / 紫外線 / 致死効果 / 光回復 / バナナの果皮 / 酵母 / オゾンの効果 |
Research Abstract |
この研究はオゾン層の破壊の問題の持つ本質と切実さを多くの生徒が理解できるようにするために、紫外線が生物に与える影響を中心に取り上げ、実験を通して体験できるモデルとして提示する教材を開発することである。いろいろな生物に紫外線を当てる実験を投して紫外線の多様な作用を調べること、また、太陽からの紫外線のオゾンによる遮蔽効果を殺菌灯を紫外線源としてモデルを作ることによって科学的に身近な現象として実験で体験できる教材の開発を研究の目的としている。 生物に及ぼす紫外線の影響の実験は、紫外線源として10W殺菌灯を用い、光源から30cm距離から生物へ、2〜5分間の照射を基準として紫外線照射を行い、照射後暗所で2〜5日間保った後に生物に起こった現象を観察し、測定を行った。紫外線の作用からの光回復を調べる実験の場合は、紫外線照射直後に可視光線の照射(0.5〜10時間)を行った。 小・中学校の教材として、高等植物の器官に及ぼす紫外線の作用と現象の検索と実験の結果、バナナの果皮が紫外線を生物的に検知するよい材料であることが分かった。バナナの果皮への約2分の紫外線の照射によって、2日後に照射された部分のみ褐色に変わる。この現象を目安に、紫外線源とバナナ果皮の間にいろいろな物質を置き、遮蔽効果を調べることができた。また、可視光線による光回復の現象も観察できた。 中・高等学校の教材として酵母や細菌を用いた実験、さらによりヒトに近い生物教材として、両棲種の胚発生、昆虫の発生などに及ぼす紫外線の作用と影響について実験方法の開発を進めている。
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