1999 Fiscal Year Annual Research Report
学習者の自己教育力を高めるための自己意識形成支援システムの開発
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09680219
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
松原 伸一 滋賀大学, 教育学部, 助教授 (30165857)
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Keywords | 自己教育力 / 自己意識形成 / 二値応答接近法 / BRAM / 二値質問 / BRQ / 理想 / 分析視点 |
Research Abstract |
本年度は,「学習者の自己教育力を高めるための自己意識形成支援システムの開発」と題する研究(3ヵ年)の3年めにあたるもので,この研究全体の最終段階に位置するものである。本研究で開発・充実された手法は,二値応答接近法(BRAM:Binary Response Approaching Method)と名づけたものである。これは,1つの刺激語を学習者に与えて連想させることにより,表出された語句(表出語句)を対象として,学習者自らがそれらを分析するための思考活動を活性化させることを目的に開発されたものである。一般に分類の基本は2つのグループに分けることであると考えられることから,BRAMにおいても,それぞれの表出語句に対して,YesかNoで応える質問(BRQ: Binary-Response Questionnaire)を学習者自らが考え出す場を与えることにより,表出語句に対する分類の視点に注目させ,結果として思考活動を活性化させ,自己教育力の向上に寄与することをねらっている。BRAMでは,それらの視点(BRQ)に対し,さらなるBRQを考えるように構成されており,視点そのものの推移に関わる分析活動の支援にも効果を期待している。本手法を充実させる上で分析手法の拡張・充実が急務であり,従来の分析手法を整理し新たな分析手法を開発した。開発された二値応答接近法の分析体系(システム)は,(1)項目分析:表出語句と二値質問をあわせて項目と呼んでいるが,その項目の種類や頻度に関する分析である。(2)関連分析:代表項目群を対象にし,それらの項目間の関係を,前提関係,前後関係,上下関係,包含関係,因果関係などの順序尺度的な方向性をもった種類の関係として図式化するもの,(3)応答パターン分析:二値質問に対し,Yesを1にNoを0で表現されたマトリックスを対象に主に代数的な演算処理を施すもので(1)列パターン分析,(2)行パターン分析,(3)マトリックスパターン分析,(4)2次元ソート分析,(5)応答距離分析 および(4)理由分析 である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 松原伸一: "高度情報通信社会における情報技術教育に関する研究"滋賀大学教育学部紀要 教育科学. 49. 39-48 (1999)
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[Publications] 松原伸一 ほか: "フレキシブル・ラーニング:「メディアツール活用法」の理念と授業運営"電子情報通信学会技術研究報告. 99・114. 23-26 (1999)
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[Publications] 松原伸一 ほか: "技術科教育における自己教育力の向上をめざした教育方法の開発"日本産業技術教育学会第42回全国大会講演要旨集. 42. 25 (1999)
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[Publications] 松原伸一 ほか: "BRAMを利用した教育実践とその分析"日本産業技術教育学会近畿支部第16回研究発表会講演論文集. 16. 1-2 (1999)
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[Publications] 松原伸一 ほか: "BRAMにおける授業の展開/BRAMにおける応答パターン分析"日本産業技術教育学会第16回情報分科会(和歌山)研究発表会講演論文集. 16. 1-4 (1999)
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[Publications] 松原伸一 ほか: "状況下における質問とその応答に関する研究"日本産業技術教育学会第16回情報分科会(和歌山)研究発表会講演論文集. 16. 47-48 (1999)