1997 Fiscal Year Annual Research Report
仮想現実感を用いた日本手話の形態特徴に基づく学習システムに関する研究
Project/Area Number |
09680223
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
宮尾 淳一 広島大学, 総合科学部, 助教授 (30200124)
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Keywords | 手話 / 手話学習システム / CAI / 仮想現実感 / 教授法 |
Research Abstract |
本年度は、研究の初年度として、以下の1.-4.の研究を研究実施計画に従い実施し、それぞれ所期の成果が得られた。 1.システムの全体構想と枠組みの考察:システムの仕様について考察し、概要を決定した。また、仮想現実感の実装に際してシステムのリアルタイム制御技法に関しても新たな考察が必要と判断し、ソフトウェアアーキテクチャについて考察した。 2.日本手話単語(片手)における標準的調動データ収集:データ収集のために、設備備品として購入したデータグローブと3次元座標化装置からの時系列データを取り込むプログラム群を開発し、手指の動作と手首の動作をコンピュータ内に取り込めるようにした。さらに、これらのデータから動きをパラメータ化したシステムデータとするためのプログラム群も試作した。 これらのプログラムを利用して、本学学校教育学部聾学校教員養成課程の学部生による手話調動データを作成した。採取した手話単語数は片手系25単語であるが、申請者らが分類した手話動作の5パターンを網羅し、かつ、日常良く利用する単語となっており、本システムの有効性確認には十分だと考えられる。さらに、この手話調動データの収集に関連して、手話調動データを収集・編集するための専用のエディタについても考察した。 3.手話単語の特徴解析:収集した手話調動データを基にして、自動的に少しづつ異なる手話動作をCGで作成し、それらを評価してもらうことにより特徴を抽出する方法を考察した。さらに、1つの手話単語を例として実際に評価を行い、本手法の有効性を確認した。 4.成果の公表等:上記1.-3.の主な内容は電子情報通信学会教育工学研究会(ET97-123)およびソフトウェアサイエンス研究会(SS97-26)で研究発表した。また、1.のソフトウェアアーキテクチャに関しては国際会議で発表予定である(ISORC'98)。
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[Publications] 宮尾淳一: "パラメトリック手話データ用動的エディタ" 電子情報通信学会ソフトウェアサイエンス研究会技術報告. SS97-26. 9-14 (1997)
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[Publications] 宮尾淳一: "手話学習システムのための手話表現基礎データの作成" 電子情報通信学会教育工学研究会技術報告. ET97-123. 81-88 (1998)
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[Publications] Jun'ichi Miyao: "A Reliable Software Architecture for Complex Embedded Systems" IEEE International Symposium on Object-Oriented Real-Time Distributed Computing. (in print). (1998)