1998 Fiscal Year Annual Research Report
仮想現実感を用いた日本手話の形態特徴に基づく学習システムに関する研究
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09680223
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
宮尾 淳一 広島大学, 総合科学部, 助教授 (30200124)
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Keywords | 手話 / 手話学習システム / 仮想現実感 / CAI / 教授法 |
Research Abstract |
本年度は、以下の1.-4.を研究実施計画に従い実施し、提案している教授法に必要な手話特徴データの定量化と、来年度試作予定の手話学習システムの構築準備を行った。 1. 手話特徴に基づく教授法用データと評価:手話特徴として単語動作の空間領域と時間領域における重要度を求めた。具体的には、片手系の23単語について新規購入の画像処理ソフトウェアを用いて実験用動画を延べ1500個以上作成し、それらを手話経験者に評価してもらうことにより定量化した。その結果、ほとんどの単語において空間領域と時間領域で重要度が大きく変化しており、かつ、その変化様態は単語間で異なっていることが確認できた。さらに、このデータに基づいて教授法の評価も行い、提案している教授法により十分な学習効果を保ちながら、学習時間の短縮と学習者負担が少ないことが示された。 2. 教授法の実装方法の考察:仮想現実感を実現するソフトウェアとしてWorld Tool Kitを新規に購入し、それを現有機に導入すると共に、試験的なプログラム作成を行い、所期の性能を有していることを確認した。また、現有のデータグローブと3次元位置認識装置をこのソフトウェアに実装し、実時間で表示する方法を検討し、利用できることを確認した。 3. 仮想現実感ユーザインタフェースの考察:学習システム試作のために、仮想現実感を用いたユーザインタフェースの設計を行った。その結果、仮想現実感で用いるデバイスは指の動きを検出するデータグローブと手首位置と角度を検出する3次元位置認識装置とし、ヘッドマウントディスプレイはユーザ負担が大きいため用いないことにした。また、提案している教授法の表示方法についても検討した。 4. 成果の公表等:上記1.-3.の主な内容は情報処理学会平成10年後期全国大会(1S-02)および電子情報通信学会教育工学研究会(ET98-130)で研究発表した。
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