1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09680225
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
竹内 章 九州工業大学, 情報工学部, 教授 (00117152)
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Keywords | 討論支援 / CSCL / CSCW / 疑似学習者 |
Research Abstract |
昨年度の研究によって、空間的に分散した学習者が、同期的に討論による学習を行うことが可能となった。この学習環境においては、討論内容の静的構造と時間にそった流れ、各人の発言内容、立場の変化などを可視化して示す機能を備えており、それぞれの参加者の意見、意見の変化、その変化が誰の発言によって影響を受けた結果引き起こされたかなどを可視化ツールによって明確にすることができる。これによって、議論実施過程におけるグループとしての合意形成と情報収集を支援するだけでなく、討論終了後の反省過程において、自らの発現あるいは他者の発言を見直すことによる学習を支援することができる。 しかし、このような学習が効果的に働くためには、議論が活発に行われる必要がある。本研究では、討論者エージェント(擬似学習者)を導入することによって、討論を誘発する方法を提案し、さらに、議長機能を自動化した。 擬似討論者は学習者間でなされる討論の内容は理解しないが、討論支援ツールによる討論内容の整理機能を利用して、発言間の関係を知る。この関係を利用して、討論が活発でない場合には学習者に質問を発することで、発言の少ない学習者に誘発し、また、埋没したい意見を話題とする方法を提案した。 本研究が対象とする討論の形式は、議長が発言者を指定することを前提としている。したがって、擬似討論者を導入するためには、議長が適切に発言権の制御を行う必要がある。そこで、議長機能を自動化し、発言権を学習者に公平に与えることを優先しながら、学習者と擬似学習者から出される発言要求を処理する方法を提案した。
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