1998 Fiscal Year Annual Research Report
スペース・コラボレーション・システムの利用限界に関する研究
Project/Area Number |
09680234
|
Research Institution | National Institute of Multimedia Education |
Principal Investigator |
浅井 紀久夫 メディア教育開発センター, 研究開発部, 助手 (90290874)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 健二 郵政省通信総合研究所通信システム部, 研究官
林 善士 メディア教育開発センター, 研究開発部, 助教授 (70300697)
結城 皖曠 メディア教育開発センター, 研究開発部, 教授 (60300696)
大西 仁 メディア教育開発センター, 研究開発部, 助手 (40280549)
近藤 喜美夫 メディア教育開発センター, 研究開発部, 教授 (40249925)
|
Keywords | 教育交流ネットワーク / VSAT / 降雨減衰 / 遠隔利用 / 回線制御 / 映像音声配信 |
Research Abstract |
通信衛星を利用した教育交流ネットワーク「スペース・コラポレーション・システム」(SCS)に関して運用の安定化と発展を図るため、システムの性能限界の推定と今後の発展に必要な仕様の提言を目指した。送信局切替時間の測定から、現有VSAT局数でほぼ6.5秒以内に局切替が行われ、運用には支障がないことがわかった。通信信号の制御はスロット・アロハ方式が採用されており、キャリア制御を行う信号の衝突を避けるように局毎にタイミングを調整している。参加局が増加すると問題となるのは、むしろセッション開始のときである。局増加に伴い、HUB局からの各VSAT局へのセッション情報の送信に時間がかかって開始が遅れることになる。この問題を解決するには、インバンドの増設が考えられる。 次に、降雨減衰による回線品質劣化の影響が運用に支障がないか調べるために、衛星ビーコンを受信することにより降雨減衰特性の測定を行った。これにより0.25mm/m以上の降雨では2dB程度の電波の減衰があることが観測された。しかし、HUB局の制御回線では、衛星テレメトリ信号を受信することによりAGCをかけて、マージンを10dB以上取ってあるので問題は発生しにくい。 SCSの発展を考慮するとき、第一に遠隔利用が挙げられる。SCSの遠隔利用では、映像音声の遠隔配信と回線制御装置の遠隔操作が必要である。そこで、回線制御の遠隔操作方法を検討した:(1)タッチパネル方式、(2)画面共有方式、(3)WWW方式。拡張性と柔軟性に富むWWW方式ソフトウエアを試作して、実際にSCSに組み込んだ。映像音声の配信では、同軸ケーブル、光ファイバ、無線伝送、ISDN回線などの利用が考えられるが、既存設備や要求品質に適合したメディアを選択する必要がある。メディア教育開発センターで開催した国際フォーラムをSCSに配信し、SCSの遠隔利用性を総合的に検証した。
|
-
[Publications] 浅井紀久夫 他: "スペース・コラボレーション・システムの利用拡張-遠隔教室化-" 電子情報通信学会技術報告. ET98-40. 69-75 (1998)
-
[Publications] 浅井紀久夫 他: "スペース・コラボレーション・システムの利用調査" メディア教育研究. 1. 185-193 (1998)
-
[Publications] 田中健二 他: "スペース・コラボレーション・システムの利用拡張-遠隔教室化へのトライアル" 電子情報通信学会技術報告. ET98-112. 151-158 (1998)
-
[Publications] K.Asai et al.: "Extension of the Inter-University Satellite Network in Japan" Online Educa Berlin,Book of Abstract. 4. 248-250 (1998)