1998 Fiscal Year Annual Research Report
英語の文章産出モデルの構築-より効果的な英作文指導のために
Project/Area Number |
09680289
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Research Institution | Nagoya Gakuin University |
Principal Investigator |
佐々木 みゆき 名古屋学院大学, 外国語学部, 助教授 (60241147)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
広瀬 恵子 愛知県立大学, 外国語学部, 助教授 (40145719)
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Keywords | 第2言語学習者 / 文章産出モデル / 英作文プロセス / 熟練した書き手 / 未熟な書き手 / ストラテジー / プロトコールデータ / 書くスピード |
Research Abstract |
本研究は、内外の文献でも皆無である第2言語(英語)学習者の文章産出モデルを、試行的に構築することを目的とした。具体的には、作文力の異なる3組のぺアの英作文プロセスを、書かれたテキスト、自分の作文の様子を映すビデオをみながらポーズ毎に頭に浮かんだことを報告したプロトコールデー夕、書くスピード(1分間に書いた語数)、ビデオテープに現れた修正行動などの様々なデータで詳しく調査・比較することにより、より包括的なモデル構築をめざした。被験者となったのは、(1)英語で書くことが日常化している熟練した書き手4人(30代2人、40代2人)と未熟な大学生の書き手8人のペア、(2)未熟な大学生の中でも、比較的習熟度が高い4人と習熟度が低い4人のペア、(3)6か月(2セメスター)のプロセスライティングの指導を受ける前と後の未熟な大学生8人のペアの3組である。データを量・質の両面から分析した結果、(1)熟練した書き手は、未熟な書き手に比べ、書く前に全体の構成について長い時間を費やして計画を立てる傾向にある、(2)熟練した書き手は、未熟な書き手に比べ、いったん書きはじめると、途中で止まることが少ない、(3)英語力の違いが、熟練した書き手と未熟な書き手の用いるストラテジーの違いに反映しているようだ、(4)6か月の指導の後は、未熟な書き手も、熟練した書き手の用いるストラテジーを学び、書く量も増したが、書くスピードは向上しなかった、などの知見が得られた。本研究者は、それらの結果をもとに、バス図(Path Diagram)式の試行モデルを構築した。今後は、さらに多人数で様々な背景を持つ被験者を使い、このモデルの信頼性・妥当性を検証していく予定である。
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