1998 Fiscal Year Annual Research Report
外国人学習者の日本語ワープロ誤入力の分析と外国人用漢字変換辞書の開発
Project/Area Number |
09680296
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
土屋 順一 東京外国語大学, 留学生日本語教育センター, 助教授 (10262213)
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Keywords | 漢字変換辞書 / CAI / 日本語音声教育 / 長母音と短母音 / 促音 / コンピュータ入力 / 誤用分析 |
Research Abstract |
1. 「日本語能力試験出題基準」のすべての語彙について、誤入力が予想される文字列をリストアップし、母音の長短関係4479項目、促音関係2454項目、両者に重複するもの1522項目を辞書登録した。 2. 外国人学習者が日本語コンピュータ入力している過程をスキャンコンバータをつかって、ビデオテープに録画した(99年3月現在テープ約150本、母語28種)。 3. 録画した入力過程を再生して、音韻上の誤入力をチェックし、誤入力データベースを作成した(99年3月現在約1900件)。その結果、以下のような事実が観察された。 (1) 誤入力は、母音の長短、促音の有無、子音の有声無声など、調音のタイミングに関するものがおおく、n、d、rの弁別、ts、s、shの弁別など、調音点、調音方法に関するものはすくない。 (2) 在日年数がながく、日本語によるコミュニケーション能力がたかい学習者でも、基礎的な語彙を誤入力する例がおおい。 (3) 非漢字圏よりも漢字圏の学習者に誤入力がおおい。 (4) 母音の長短の誤入力は、母語に母音の長短の弁別があるかないかに関係なくみられるが、子音の誤入力に関しては、母語による差がみられる(朝鮮語母語話者のk,g、北京語母語話者のt,dなどが特におおい) (5) 学習者は誤入力でただしく変換されないとわかると、すぐに別の入力をしてみることがおおい。また、おなじ語について、ただしく入力した直後に誤入力することもある。 4. 外国人学習者が、日本語の調音のタイミングに関する音韻情報を正確に記憶していないことが確認された。今後は、学習者の母語による特徴と、当該語彙の音声環境による特徴を分析する方向である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 土屋順一・土屋千尋: "外国人学習者のための電脳内革命" 第10回日本語教育連絡会議総合報告書. 66-70 (1998)
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[Publications] 土屋順一・杉田幸代: "外国人日本語学習者によるワープロ入力過程の音韻面からの誤用分析" 平成10年度日本語教育学会秋季大会予稿集. 141-146 (1998)
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[Publications] 土屋順一: "外国人学習者による日本語キーボード入力過程データベース" 日本教育工学会研究報告書. JET98-6. 1-6 (1998)