1998 Fiscal Year Annual Research Report
日本語発音教育への応用をめざした新しいリズム単位の音声的実現に関する基礎研究
Project/Area Number |
09680298
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
鹿島 央 名古屋大学, 留学生センター, 教授 (60204377)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 慎吾 岐阜大学, 留学生センター, 講師 (20293582)
|
Keywords | モーラ / リズムユニット / リズム型 / 中国語話者(北京語を母語) / 音声教育 |
Research Abstract |
以下の2点について、研究を行っている。 (1) リズムユニット1およびリズムユニット2というリズム構成単位の音声学的実体について、日本語母語話者2名の発話を資料として分析している。資料は、3拍語と4拍語で 可能なリズム型であるが、語音構成に特に配慮したちの45語を用いている。資料語の録音は、カードに記載された絵あるいはヒントを語単独で発音したものと漢字表記の読みの2種類である。 (2) 学習者のリズムの特徴を把握するため、語頭、語中、語尾に特殊拍をふくむ音節の位置する3拍(語中にはなし)から5拍までの資料を作成し、分析している。実際には、3拍語12語、4拍語31語、5拍語18語の合計61語である。録音方法は、上記(1)とほぼ同じであるが、文字カードはひらがな表記である点が異なる。被験者は、中国語話者(北京語を母語)が4名で、いずれも中級前半レベルの日本語学習者と、日本語母語話者(東京方言)が1名である。日本語話者については、被験者を増やす予定である。現在、分析が進んでいるところであるが、日本語話者とは異なる持続時間の特徴が学習者には観察され、モーラを単位としていては簡潔に記述できない点も多くあることが分かってきている。今後、中国の他の方言話者の発音も収集し、韓国語などの他の言語話者にも観察・分析を拡げていく予定であるが、新しい音声教育の方法が確立できればと考えている。 上記の研究では、分担者と2週間に1度の頻度で会合をもち、観察、検討をつづけている。
|