1997 Fiscal Year Annual Research Report
専門的文章・談話の理解力・表現力向上のための「専門連語」辞書の作成
Project/Area Number |
09680302
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Chuogakuin University |
Principal Investigator |
小宮 千鶴子 中央学院大学, 商学部, 助教授 (40225579)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横田 淳子 東京外国語大学, 留学生日本語教育センター, 教授 (40200894)
石井 正彦 国立国語研究所, 言語体系研究部, 室長 (10159676)
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Keywords | 日本語教育 / 経済 / 専門語 / 連語 / 専門連語 / 教科書 / 新聞 |
Research Abstract |
本研究の目的は、一般日本語教育を終了後に大学等で経済学・経営学・商学などの広い意味での経済を学ぶ留学生が、経済の専門語を含んだ文章や談話を理解し、口頭発表やレポート作成などを行う能力を向上させるため、専門語を含んだ連語辞書の作成である。 本年度は、辞書の見出し語とする専門語を決定するため、経済の教科書と新聞の経済記事を資料とし、経済の専門語を含む専門連語を抽出した。具体的には、高校の『政治経済』教科書の経済部分、大学の学部1年対象の経済学、経営学、商学の教科書各1冊、新聞の経済記事1年分を資料とした。経済の専門語は、多くの高校教科書に共通して現われる経済の専門語のうち一般日本語教育では指導されないもの352語を選んだ。 まず、それらを含む文を抜き出すプログラムを資料にかけ、機械的に専門連語の候補を含む文を得た。次に、それらの文に専門連語が実際に含まれるか否かについて1文ずつ判定し、専門連語と思われるもの8779例を得た。それらは、260語の異なる専門語についての専門連語の候補である。 調査した352の専門語のうち260語(74%)について専門連語の候補を得たことは、高校の政治経済教科書によく現われる専門語は大学教科書や新聞にも用いられるのではないかという直観をある程度、実証したといえる。しかし、その内訳を見ると、教科書にも新聞にも連語例のあった専門語が38%でもっとも多かったものの、教科書にのみ連語例のあった専門語が25%、新聞にのみ連語例のあった専門語が12%で、資料によって現われる専門語自体に違いのあることがわかった。さらに、どちらにも現われる専門語でも語によって新聞か教科書かという片寄りが見られた。
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Research Products
(1 results)