1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09680309
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
齋藤 堯幸 東京工業大学, 社会理工学研究科, 教授 (70113561)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河合 眞 昭和大学, 医学部, 講師 (30138474)
行広 隆次 北海道大学, 文学部, 助手 (60240628)
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Keywords | 特別養護老人ホーム / 生活の質 / 日常生活動作 / 日常生活行動 / 知的退行 / 計量化 / 多変量解析 |
Research Abstract |
予備的分析 ある特別養護老人ホームの協力を得て、過去5年間の3ヶ月毎に記録された日常生活動作(ADL)、日常生活行動(BDL)および知的退行に関する臨床データの精度とバイアスを検討し、次の点が判明した。1)知的退行は3ヶ月毎よりも6ヶ月毎の測定に意義があり、ADLとBDLデータもそれに対応させるべきである。2)ADL、BDLの項目群は、5段階程度の順序カテゴリ尺度またはカテゴリ尺度で測定すれば、分析可能である。 測定項目群の選定とデータファイルの作成 知的退化の程度を、改訂長谷川式簡易知的機能評価スケール(HDS-R)で評定し、ADLについて9項目、BDLについて9項目を選定した。すべての項目は、障害の程度(症状)の悪化程度を示す順序カテゴリーで記述した。1996年1月と7月のデータを入力し、ファイル書式を設計し、カテゴリに変換したデータファイルを作成した。 データ分析法の選定と準備 単集計とクロス集計によりデータの把握を行い、OSMOD法、主成分分析法、冗長性分析法、クラスター分析を使う方針を定めた。次年度のために質量混合データの冗長性分析法のプログラムを、S言語により開発した。 空間構造の導出と精神医学的解釈 19項目の3次元空間配置と項目間の相関行列を導出し、項目間の連関構造の解析と空間構造の精神医学的な解釈をした。HDS-Rと失見当の位置関係は非常に近く、HDS-Rで示される病態は、主にアルツハイマー型老年痴呆による。また人間関係の交流障害を示すクラスターC2(言語、交流、反応)があり、C3(食事、レク・運動)と、C4(排泄、着脱衣、入浴、移動)があり、非常に離れてクラスターC5(視力、聴力、睡眠、異常行為、不穏・興奮)がある。麻痺、徘徊、弄便は、それぞれ孤立した位置にあり異質性を示す。 BDLのADLに対する従属分析と精神医学的解釈 交流、レク・運動等の、広義の交流に関わるBDL上の障害が、最も介護を要するADL項目である排泄、着脱衣、入浴と、言語障害から構成される総合的要因1に依存する。また、麻痺、入浴、移動のADL項目から構成される総合的要因2は、自発性の低下した状態を表し、それは徘徊しない方向に影響すると解釈された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 河合眞: "特別養護老人ホームにおけるADL,QOLの構造分析(1)" 第26回日本行動計量学会発表論文抄録集. 256-257 (1997)
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[Publications] 齋藤堯幸: "特別養護老人ホームにおけるADL,QOLの構造分析(2)" 第26回日本行動計量学会発表論文抄録集. 258-259 (1997)