1998 Fiscal Year Annual Research Report
繰り返し観察データの回帰分析におけるモデル選択に関する研究
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09680312
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
大瀧 慈 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 教授 (20110463)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大谷 敬子 広島大学, 歯学部, 助手 (20243587)
佐藤 健一 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 助手 (30284219)
神田 隆至 広島工業大学, 環境学部, 教授 (40098679)
藤越 康祝 広島大学, 理学部, 教授 (40033849)
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Keywords | Repeated measurements / Growth curve models / Model selection / Hierarchical structure / Random coefficient model / Monotone missing data / Sex ratio / 生物効果比の区間推定 |
Research Abstract |
1) 各種階層的個体内計画行列を持つ拡張成長曲線モデルの下での推測問題を扱った。 本モデルには、群毎の成長曲線の平均トレンドが異なった次数の多項式で表されるものも含まれている。まず、共分散行列が一般の正値であるが未知の場合について、個体内計画行列が階層的構造をもっているか否かを検証するための尤度比検定統計量とモデル選択規準を導出した。次に、ランダム係数成長曲線モデルの共分散構造の下での推測問題についても考察した。これらの理論的結果をPotthoff and Roy(1964,Biometrika 51,313-326)による歯学的データに適用し再解析を試みた。 2) 平均μ、分散Σのp-変量正規分布に従う標本がk-段階単調な欠測構造を持つ場合のμとΣの最尤推定量に関する基本的特性について研究を行った。その結果、k=2および3の場合に対して、μの最尤推定量の正確な期待値と分散およびΣの最尤推定量の偏りを導出した。また、これらの推定量の分布に関する漸近展開を行った。さらに、一般のkの場合について、μやΣの最尤推定量の正確な定式化を行い、それらの統計的特性について研究を行った。 3) 最近の日本の5歳未満の子供における女児割合の地理的変動および経時変動の有無について、国勢調査データを用いて統計的解析を行った。二項分布を用いて帰無仮説を記述し、べータ二項分布や順序制約を用いて対立仮説を定式化して、統計的解析を行った。 4) 成長曲線解析理論に基づき、繰り返し観察データによる放射線の生物効果比の区間推定を行うための方法を開発した。その方法を、中性子線とガンマ線を照射した子供マウスの体重変化データに適用して、中性子線の生物効果比の区間推定を行った。
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[Publications] Fujikoshi,Y.: "Growth curve model with hierarchical within-individuals design matrices" Annals of Institute for Statistical Mathematics. (in press).
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[Publications] Kanda,T.: "Some basic properties of the MLE's for a multivariate normal distributions with monotone missing data" American Journal of Mathematical and Management Sciences. 18. 161-190 (1998)
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[Publications] 佐藤健一: "繰り返しデータに基づく生物効果比の区間推定" 広島医学. 51巻3号. 439-441 (1998)