1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09680319
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | 国立公衆衛生院 |
Principal Investigator |
丹後 俊郎 国立公衆衛生院, 附属図書館, 館長 (70124477)
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Keywords | 腸筋出血性大腸菌 / O-157 / 最尤推定量 |
Research Abstract |
本年度は方法論の理論的検討とシミュレーションによる推定精度の検討を行った。 まず、潜伏期間に従来の対数正規分布を仮定した場合の曝露時点の最尤推定量を検討する。この推定問題は3パラメータ対数正規分布の最尤推定量の問題として古くから推定の困難性が知られているが、実は極めて簡単な方法で推定できることを示した。すなわち、原点(暴露時点)をαとする対数正規分布を仮定したモデルでのαの関数である対数尤度関数を最大にする最尤推定値αを直線探索法(line search)で求める方法である。Smith(1963)はglobalな最尤推定量は存在しない(imadmissible)ことを証明した。しかし、本研究ではSmithの証明は数学的には正しくても統計学的には誤りであり、データの精度内での範囲でlocalではあるが最尤推定量が存在し、しかも、統計学的にはこの推定量が有効であることを示した。また、信頼区間も直線探索法で描いたプロファイル尤度関数から簡単に求めることができるこも提案した。さらに本方法の普及のための簡便性を考慮して、パソコンを利用して視覚的にかつ容易に計算できるコンピュータプログラムの開発も行った。 応用事例として、平成8年度に勃発したO-157に基づく集団食中毒の事例3件に適用し、ある程度の妥当な推定値が得られた。 これらの結果は日本計量生物学会で発表するとともに、応用事例を含めた結果は日本公衆衛生学会誌に掲載予定である。
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Research Products
(1 results)