1998 Fiscal Year Annual Research Report
並列プログラムにおける物理的リソース指示の分離と効率的コンパイル技法に関する研究
Project/Area Number |
09680336
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
萩原 兼一 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (00133140)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤本 典幸 大阪大学, 基礎工学研究科, 助手 (90294165)
真鍋 義文 日本電信電話(株), 基礎研究所・情報科学研究部, 主任研究員
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Keywords | 超並列プログラミング言語コンパイラ / MPI / SPMD / MPMD / 分散メモリ / データ分割 |
Research Abstract |
並列プログラム作成の生産性を上げるためには,並列プログラムを高い抽象度でアーキテクチャ独立に記述することが重要である.すなわち,並列プログラムの設計時には,利用可能なプロセッサ数・配列データの分散メモリへの分割・通信・同期命令などの物理的リソースに関する指示を行なわずに,並列プログラムを高い抽象度で,論理的側面にのみ注目して記述すると効果的である.そして,オブジェクト・プログラムの実行効率を上げる段階で,そのような物理的リソースの設定を考える.この方針に沿って,本研究ではワーク・タイムモデルをサポートした拡張C言語であるデータ並列言語Work-Time Cの処理系の基礎的アルゴリズムの開発,処理系の開発,および性能解析ツールを作成した.処理系は2つの方法で作成した.ひとつは,実行効率に大きく影響する配列データの分割指示をユーザが行い,オブジェクト・プログラムとしては同じプログラムを各プロセッサで実行するSPMD(Single Program Multiple Data)形態の処理系で,もうひとつは,分割指示をユーザが行わず,異なるプログラムを各プロセッサで実行するMPMD(Multiple Program Multiple Data)形態の処理系である.両者ともプロセッサ間通信は,多くのプラットフォームで実行できる通信ライブラリMPI(Messag Passing Interface)を用いている.したがって,オブジェクト・プログラムは分散メモリ型の並列計算機やCOW(Collection of Workstations)で実行可能である.現在の並列計算機アーキテクチャはMIMD(Multiple Instructions MultipleData)型であるので,MPMD型プログラムの方が実行効率のよく走る可能性があり,実際に本研究で対象とした問題に関しては,商用のSPMD型処理系より効率よく実行でき,MPMD型処理系への期待を示せた.また,前者の処理系に再帰プログラムを実行する機能を追加した.
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[Publications] Noriyuki Fujimoto: "A Task scheduling algorithm to Package Messages on Distributed Memory Parallel Machines" The 1999 Int.Sympo.on Parallel Architectures,Algorithms and Networks. (採録決定). (1999)
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[Publications] Yoshifumi Manabe: "k-Arbiter.A safe and general scheme for h-out of-k mutual exclusion," Theoretical Computer Science. 193,1-2,. 97-112 (1998)
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[Publications] Yoshifumi Manabe: "A Feasibility Decision Algorithm for Rate Monotonic and Deadline Monotonic Scheduling" Real-Time Systems. 14,2. 171-181 (1998)
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[Publications] Yoshifumi Manabe: "A Distributed Consistent Global Checkpoint Algorithm with a Minimum Number of Checkpoints" 12th Int. Conf on Information Networking. 549-554 (1998)
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[Publications] 小笠原徹: "分割統治法プログラムを並列するコンパイル手法の提案と評価" 情報処理学会研究報告. AL66-10. 73-80 (1999)
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[Publications] 杉野陽一: "並列プログラムの改善支援機能を持つ性能解析システムの開発" 情報処理学会研究報告. AL66-11. 81-88 (1999)