1997 Fiscal Year Annual Research Report
経験的エントロピー関数による最小複雑性に基づいた帰納推論とその計算生物学への応用
Project/Area Number |
09680354
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
田中 博 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (60155158)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
任 鳳蓉 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教務職員 (60280989)
津本 周作 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助手 (10251555)
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Keywords | 経験的複雑性 / モデル準拠複雑性法 / 分子進化系統樹 / 最尤法 / 多重分岐系統樹 / 近隣結合法 |
Research Abstract |
平成九年度では、我々は経験的エントロピー関数(Empirical Entropy)あるいは経験的複雑性(Empirical Complexity)をその性質に関して詳細に展開し経験的エントロピー論に基づく帰納推論方法を構築した。これは実現されたn個のデータの間の隣り合う区間距離I_kから経験的確率密度を推定するもので、これは隣り合うデータ間の距離が短い座標値では経験的密度関数も高いことに基づく。このエントロピー関数を基礎にして次に2つの経験的分布の距離を示す経験的KL情報量を定義する。我々の帰納的推論法では、この経験的KL情報量とモデルエントロピーの和によって、モデル準拠複雑性(Model-based complexity)を定義し、それを最小にするモデルが最良のモデルとして選択される。 分子進化系統樹構成においてモデル準拠複雑性は、(1)系統樹のトポロジー、(2)個々の枝長の長さ、(3)進化に伴う塩基置換確率をマルコフ遷移確率行列で表わし、分子進化系統樹モデルが正しいとした時の現在のDNA配列を出現する確率の対数、の3つの和で与えられる。この経験的複雑性を使用して分子進化系統樹を推定したら、これまでの最尤法とか近隣結合法ては、実現できなかった多重分岐進化系統樹の推定が可能であった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] H.Tanaka, F.Ren et al.: "Inference of Molecular Phylogenetic Tree Based on Minimum Model-Based Complexity Method." Proc.,Fifth International Conference on Intelligent Systems for Molecular Biology,AAAI Press, 10 (1997)
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[Publications] F.Ren, H.Tanaka et al.: "Molecular Phylogenetic Trees Are Inferred by Using Minimum Model-Based Complexity" Proc.of International Conference on Bio-Computing and Emergent Computation,Springer-Verlag, 10 (1997)