1998 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝的アルゴリズムを用いた隠れマルコフモデルによる音声自動認識に関する研究
Project/Area Number |
09680374
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
高良 富夫 琉球大学, 工学部, 教授 (70163326)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長山 格 琉球大学, 工学部, 助手 (80274885)
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Keywords | 音声自動認識 / 遺伝的アルゴリズム / マルコフモデル / 構造 / 最適化 |
Research Abstract |
情報処理システムと人間との間で情報の授受を行うとき、音声言語を媒介とすることは、人間にとって最も根源的かつ高速で便利な手段である。本研究では、情報処理システムが音声言語を受理する機能である音声自動認識の高性能化をめざして、遺伝的アルゴリズムを用いた認識モデルの構成方法を確立し、その有効性を実験的に明らかにすることを目的としている。 音声自動認識のためのモデルとしては、音声の生成を確率過程としてとらえる隠れマルコフモデルを用いる方法が現在のところ最も有望である。しかし、この方法では、モデルのパラメータは局所的最適値にとどまり、最適なモデルの構造を決定する効果的なアルゴリズムが確立されていない。そこで本研究では、隠れマルコフモデルの構造を自動的に決定するため、生物の進化過程をモデル化した遺伝的アルゴリズムを応用する。この方法では、世代を経るに従い尤度の低いモデルは淘汰され、より認識率の高いモデルが生き残るので、広域的最適な高性能のモデルを得ることができる。 離散型隠れマルコフモデルに遺伝的アルゴリズムを適用する方法は、昨年までにほぼ確立したので、本年度は、より有効なモデルとされる連続型隠れマルコフモデルに遺伝的アルゴリズムを適用し、さらに高性能化を図った。遺伝的アルゴリズムにおける交差及び突然変異処理で、マルコフモデルの確率的構造を壊さないようにするため、状態単位で交差・突然変異を行なうようにアルゴリズムを改良した。さらに、突然変異で構造が壊れ、致死構造となった場合の対処法を提案した。連続型隠れマルコフモデルの適応度については、先ず各カテゴリ独立の尤度を利用し、次に各カテゴリが関連を持つように認識率を利用して進化させることが有効であることを示した。
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[Publications] 高良富夫・大城仁・長山格: "離散型隠れマルコフモデルと遺伝的アルゴリズムを用いた音声認識モデルの構造の検討" 平成10年度電気関係学会九州支部連合大会論文集. 216 (1998)
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[Publications] 長木栄二・高良富夫・長山格: "HMM-GA単語音声認識法における死構造除去" 平成10年度電気関係学会九州支部連合大会論文集. 218 (1998)
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[Publications] 山入端正稔・長木栄二・高良富夫・長山格: "状態の生成消滅突然変異をもつ遺伝的アルゴリズムによる連続型隠れマルコフモデルの構造決定" 平成10年度電気学会・電子情報通信学会合同講演会講演論文集. 113-114 (1998)
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[Publications] Takara Y.,Iha Y.,Nagayama I.: "Selection of the Optimal Structure of the Continuos HMM Using the genetic Algorithm" 5th Int.Conf.on Spoken Language Processing. Vol.3. 751-754 (1998)