1997 Fiscal Year Annual Research Report
マルチエージェントによる総合的学習支援に関する研究
Project/Area Number |
09680375
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
大槻 説乎 広島市立大学, 情報科学部, 教授 (70037745)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩根 典之 広島市立大学, 情報科学部, 助教授 (60264933)
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Keywords | グループ学習 / マルチ・エージェント / 知的教育システム / 討論支援 / 学習支援 / 学習者モデル / エージェント交渉 / 文脈理解 |
Research Abstract |
本年度は学習支援と討論支援の2種のエージェントを用いて、グループの問題解決過程をフォローし、必要に応じて、助言、共同作業、演示、討論を行って、学習者個人のアウエアネスに基づく知識獲得を支援する実験系を構成し、人工知能学会研究会、国際会議、および学会論文誌で発表した。システムの中心部分は学習支援エージェントによる学習者の誤り同定に基づく学習者モデルの構築、および討論支援エージェントによる討論文脈の把握、討論内容の決定、エージェントの交渉からなる。以下に概要を示す。 1)学習支援エージェント:学習者が、個人ウインドウ上で新しく得た知識を同化して、試行錯誤を繰り返しながら、正解に到達するように支援する知的教授システムを実現した。討論からアウエアネスを得るための支援方法としては、個人知識の和集合をグループ知識と仮定して、問題解決に必要な前提知識に対するグループ知識の欠落部分と誤り部分を補完する学習エージェントを提案・実現した。 2)討論支援エージェント:下記の機能を設計し、その一部を実現した。 ・文脈の把握と発言:因果関係の原因と結果およびそれを結ぶアークを単位として、理解内容を表現するネットによって、個人の理解を外化し、因果関係の詳細化、異同の判定、反論・同意・補足などの意見の構成を行う。・埋没した意見に応答する。・少数意見を擁護する。・正しい意見を持っているのに発言しない学習者に質問する。・分からないのに発言しない学習者に代わって,質問する。・対立する意見を出す。・誤概念に気付かせるために必要な間違いを犯す。・誤概念が修正できない場合は、他の学習者/エージェントに質問をする。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 岩根典之、竹内章、大槻説乎: "算数の文章題を対象としたネットワーク型教育支援環境" 電子情報通信学会論文誌. Vol.J80-D-II, No.4. 915-924 (1997)
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[Publications] 浅海賢一、竹内章、大槻説乎: "物理系における因果関係の理解を支援するための対話方法" 電子情報通信学会論文誌. Vol.J80-D-II, No.10. 2848-2859 (1997)
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[Publications] N.Iwane, A.Takeuchi, S.Otsuki: "A Network Type Intelligent Educational System for Arithmetic Word Problems" Systems and Computers in Japan John Wiley & Sons Inc.Vol.28, No.10. 30-39 (1997)
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[Publications] 堤安史、福田美紀、岩根典之、中村学、大槻説乎: "仮説に基づくグループ学習支援システムの研究" 1989年電子情報通信学会総合大会講演論文集. 情報・システムI. 274 (1998)
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[Publications] 川崎辰也、新矢芳弘、岩根典之、中村学、大槻説乎: "数式・英語変換学習を支援するシステム" 1989年電子情報通信学会総合大会講演論文集. 情報・システムI. 288 (1998)
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[Publications] H.Kunichika, A.Takeuchi, S.Otsuki: "Automatic generation of questions for comprehensiontest in English learning" Proc of ED-Media′98. (印刷中). (1998)