1998 Fiscal Year Annual Research Report
種々の論理ネットワークのエネルギー関数とその動作解析
Project/Area Number |
09680382
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
小淵 洋一 龍谷大学, 理工学部, 教授 (60025450)
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Keywords | 論理ネットワーク / 非同期動作 / 準同型 / 同型 / 周期構造 / 距離を保つ写像 / グレイ符号 |
Research Abstract |
種々の論理ネットワークのエネルギー関数を特徴付け、さらにネットワークの動作解析を行うことが本研究の目的である。二値の論理回路網のエネルギー関数の存在条件等に関しては、かなり知見が集積されてきたので、本年度は大域的状態遷移の構造を解析するための基本的枠組みを整備した。まず二値の論理回路網の非同期動作を考え、二つの回路網の非同期動作に関して、準同型関係を定義する。これは全域的状態遷移図を有向グラフと考えた時の遷移枝の集合の包含関係に対応している。これによって、論理回路網の動作の周期構造を把握することができる。ここでは、主として回路網の素子数が同じ場合について考える。特に、極端な場合として、エネルギー関数が存在する場合と、全状態を巡る最長のパスが存在する場合を取り出すことができる。前者は周期長が1の回路網に対応し次の基本的性質が得られる。即ち、回路網MがNに準同型でNにエネルギー関数が存在すると、Mにも同じエネルギー関数が存在する。後者はGray符号(即ち、{{0,1}^nの円順列で隣り合う記号列のハミング距離が1となるもの)と関連している。さらに、同型な論理回路網についてその同型関係を与える写像が距離を保つ時、そのような写像の特徴付けを与えた。まず論理回路網が同型となる対応を与える二種類の基本的写像を考える。それは変数の否定および変数の組の互換である。これらはいずれも距離を保つ写像である。逆に任意の1対1の距離を保つ写像はこれら二種類の写像の組み合わせによって表現することができる。この結果から、任意の長さのGray符号列を求めることができる。
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[Publications] S.Sakamoto, Y.Kobuchi: "Self-organization of Topographic Mappings from Cell Layer to Cell Lyer through Generalized Hebb Rhles." 5th International Conference on Neural Information Processing Proceedings. Vol.2. 661-664 (1998)
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[Publications] Y.Kobuchi, S.Sakamoto: "Homomorphism and Isomorphism of Logic Networks Dynamics" Advances in Artificial Intelligence and Engineering Cybernetics. Vol.5. 67-71 (1999)
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[Publications] 小淵洋一: "離散情報処理とオートマトン" 朝倉書店, 208 (1999)