1999 Fiscal Year Annual Research Report
種々の論理ネットワークのエネルギー関数とその動作解析
Project/Area Number |
09680382
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
小淵 洋一 龍谷大学, 理工学部, 教授 (60025450)
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Keywords | 論理回路網 / 非同期動作 / 大域的状態遷移図 / 素分解 / 論理関数の展開 / 準逆関数 / 逆論理回路網 |
Research Abstract |
我々は論理回路網の非同期的動作を主として考えて来ているが、それは全体としてその大域的状態遷移図で表現される。その中でも特にネットワークにエネルギー関数が対応する場合を特徴付け、その動作解析を行う事が本研究の目的である。そのため、グラフとしての状態遷移図の特徴を捉え、遷移図間の関係を準同型関係として表現してきた。本年度は特に時間を逆転して状態遷移が進行する逆論理回路網について解析を行った。その為の手段として、またそれ自体の興味もあって、まず論理関数の新しい展開型について明らかにした。すなわち、論理関数の展開型として一般的なシャノン展開に対して、素分解(Prime Decomposition)と呼ぶ、係数の論理関数が相互に直交する展開を導入しその性質を調べた。これらの係数はシャノン展開の係数から簡単に導く事ができる。この表現型の方が準同型関係をより直接的に捉えることができると考えられる。さらにこの素分解を使って、論理関数のある変数に対する準逆関数を定義する。元の論理関数と準逆関数の次数は同じであることを示すことができる。与えられた論理回路網に対し、その大域的状態遷移図の矢印をすべて逆にしたグラフを状態遷移図とする論理回路網を逆論理回路網と呼ぶ。非同期動作を考える限りこのような逆論理回路網が存在することは容易に解る。具体的に論理回路網を構成する論理関数を各々対応する準逆関数に置き換えればよいことを示した。元の論理回路網とその逆の論理回路網は周期構造が相対的に対応するので一方にエネルギー関数があれば他方にもあることになる。
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