1998 Fiscal Year Annual Research Report
知識の体系をブラウジングするための仮想的な場としての電子図書館の構築
Project/Area Number |
09680402
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
伊藤 哲郎 大分大学, 工学部, 教授 (30029558)
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Keywords | 電子図書館 / 情報検索 / ブラウジング / 線形順序付け / VRML / JAVA |
Research Abstract |
知識の体系に照らして整理した文献情報を,伝統的な図書館の形態で利用でき,かつネットワーク環境下でうまく機能する仮想的な場としての電子図書館の具体化を目ざした。9年度は,文献情報を概念的に扱う枠組みの定式化や文献の情報空間を概念的にブラウジングする機構の提案を行った。10年度は,実用性を考慮し,文献情報の管理機構およびブラウジング機構を改良し,電子図書館が容易に利用できるナビゲータを試作した。 多量文献を扱うために,探索対象となる文献集合を前もって大まかに整理しおくようにした。具体的には,ネットワーク上の文献のうち,ユーザの興味に合致すると思われるものをフィルタリング機構で取り出しておく。そしてフィルタリング結果の文献集合について,文献相互間の内容的な関連性を類似度として数量的に計算し,類似度の大きさに従い良く似た文献ほど順番が近くなるよう各文献を順序づけておく。 電子図書館は適応的に作り出す。質問が与えられると,似た文献ほど順番が近くなるような文献の順序づけを反映し,かつ質問と似た文献の順番が質問と近くなるよう再調整する。この操作で深く関連し合った文献のすべてが1カ所に集めて置かれるとは限らないが,部分ごとに見ると可能である。そして得られた順序を保持しながら,類似度の大きい文献同士(質問と文献)ほど距離が近くなるような空間を構築する。距離空間が,同じ主題の文献が物理的に近い場所に配架されている現実的な図書館に対応した,仮想の電子図書館となる。 要求に合致する文献は,質問と類似度の大きい文献が配置されている部分(複数ある)の近くを,順次ブラウジングして取り出す。必要な部分ごとのブラウジングを繋げて,効率の良い全体的なブラウジングと見なすのである。電子図書館を利用するためのナビゲータは,操作性を重視し,CGI・JAVA・VRMLを使って実現した。WWWブラウザ上で作動する。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 中島誠: "背景知識を介した概念構造の対比操作" 人工知能学会誌. 13,6. 990-1001 (1998)
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[Publications] 中島誠: "用語間の概念的関係を考慮した測度による文献のランキング" 電子情報通信学会論文誌D-I. J82-D-I 3(印刷中). (1999)