1998 Fiscal Year Annual Research Report
客観的定量化手法に基づく共通日本語音声の発話速度制御に関する研究
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09680404
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Research Institution | Science University of Tokyo |
Principal Investigator |
大野 澄雄 東京理科大学, 基礎工学部, 助手 (80256677)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤崎 博也 東京理科大学, 基礎工学部, 教授 (80010776)
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Keywords | 発話速度制御 / 発話速度の局所的変動 / 局所発話速度比 / 音声合成 / 単語のアクセント型 / 統語的役割 / 強調発話 |
Research Abstract |
1. 共通日本語音声資料の追加収集 前年度行った分析・定式化をさらに精密化するため、新たに音声資料の収集を行った。具体的には、同一テキストの文発話として(1)3段階の異なる平均発話速度による発話、(2)文中の異なる箇所を強調した発話、を収録した。また、前年度に引き続いて(3)文中で用いられる文節の孤立発話、(4)アクセント型の異なる同一単音構成の発話、についても追加収録した。 2. 共通日本語音声の局所発話速度の分析 上記1.で収集した音声資料を、前年度開発した発話速度比分析ツールを用いて局所発話速度の分析を行った。その結果、(1)平均発話速度の変化に伴う局所的な発話速度の変化は、主として音節単位で特徴的な振舞いを呈し、平均発話速度が速くなる場合には各音節の前半の速度が局所的に速くなり、平均発話速度が遅くなる場合には各音節の後半の速度が局所的に遅くなること、(2)同一の単音構成の語であっても、アクセント型の違いにより局所的な発話速度の変動に特徴が見られること、(3)文音声中の特定箇所の強調により、局所発話速度が変化し、特に強調箇所の前半において遅くなることなどの新しい知見を得た。 3. 共通日本語音声における強調が韻律的特徴に及ぼす影響の分析 文音声中の強調が発話の韻律的特徴に及ぼす影響について、局所的な発話速度に現れる現象については上記2.で知見を得た。さらに他の重要な韻律的特徴である基本周波数パターン上に現れる影響を調べるため、同一の音声資料を基本周波数パターン生成過程のモデルに基づいて分析し、アクセント指令の増大、後続する語とのアクセント結合が生じることを確認した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 大野澄雄: "日本語音声における強調の韻律的特徴に与える影響について" 日本音響学会平成10年度秋季研究発表会講演論文集. 1. 201-202 (1998)
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[Publications] Sumio Ohno: "Analysis of effects of lexical accent, syntax and global speech rate upon the local speech rate" Proceedings of 5th International Conference on Spoken Language Processing. 3. 655-658 (1998)