1997 Fiscal Year Annual Research Report
日・韓の科学技術活動の計量的比較-科学技術政策への政策科学的接近を目指して
Project/Area Number |
09680416
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | National Graduate Institute for Policy Studies |
Principal Investigator |
丹羽 冨士雄 政策研究大学院大学, 大学院・政策研究科, 教授 (70091915)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大山 達雄 政策研究大学院大学, 大学院・政策研究科, 教授 (30134323)
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Keywords | 科学技術発展サイクル / 科学技術政策 / 日本・韓国 |
Research Abstract |
本研究の根幹になる「科学技術発展サイクル」モデルをより精緻なものにした。この発展モデルでは、(a)製品製造、(b)技術開発、(c)科学的発見、(d)科学的基盤、という各フェーズで、その質と量とが共通の軌跡で発展するというものである。 軌跡は、(1)まず低位のレベルで量が拡大し、質は低位に留まる開始期、(2)次いで質が向上する向上期、(3)量と質が共に向上し、質のレベルが量のレベルを凌駕する浮上期、(4)質量共に向上する量の増加が質の増加を上回る上昇期、(5)質の大幅な増加はみられぬものの量は順調に増大する巡航期、に分けられる。この軌跡は4つのフェーズに共通にS字カーブを描くと推定される。日本の場合、最近20年の期間を統計データで検証し、それ以前は歴史的事項の検討により検証した。 科学技術政策との関係では、例えば科学的基盤ではその開始期に(1960年代初め)、科学技術会議の第1号答申が理工系の学生定員の大幅な増加を提言し、それが実現されたように時宜にあった政策が打ち出されている。その一方で、論文やその引用でモデル化した科学的発見のフェーズではかなり向上がみられるものの、国際的なレベルには未だしであり、適切で強力な政策の必要性を明示するものもある。 一方、近年韓国において科学技術に関する各種統計が整備されつつあり、計量的に日本と同様の分析ができるようになってきた。特にOECDへの加盟が認められ、各種統計においてOECDの基準に合わせた統計が収集、発表されようとしている。そこでこの研究では、第2に日・韓両国が(国際的比較において)どの発展位置にあるかを検証することを目的に、韓国の統計を収集した。しかし、国際機関や国際データベースが収集した統計を除き、日本の場合のように長期にわたって収集することは困難であり、最近のものを分析中である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 丹羽 冨士雄: ""The Japanese Public Understanding of and Attitude toward Science and Technology,"" AAAS Annual Meeting. (1997)
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[Publications] 丹羽 冨士雄: ""What can the Japanese Scicnce and Technology Indicators Tell us?"" EU-Japan Center for Industrial Coopcration,. (1997)
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[Publications] 丹羽 冨士雄 富澤 宏之: ""Japanes R&D Development Cycle and Related Policy,"" PICMET97:Innovation in Technology Management-The Key to Global Leadership-. 65-68 (1997)
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[Publications] Jon Miller,Rafael Pardo 丹羽 冨士雄: ""Public Perceptions of Science and Technology-A Comparative Study of the Europcan Union,the United States,Japan and Canada-"" Fundacion BBV,. (1997)
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[Publications] 丹羽 冨士雄 富澤 宏之: "科学技術活動のマクロ構造分析" 研究・技術計画学会. 128-144 (1998)