1999 Fiscal Year Annual Research Report
任意の分布を持つ固体プラズマの生成とそれによるサブミリ波伝搬の制御に関する研究
Project/Area Number |
09680452
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Research Institution | AKITA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
小武内 哲雄 秋田大学, 工学資源学部, 教授 (30006697)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
淀川 信一 秋田大学, 工学資源学部, 助手 (90282160)
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Keywords | 固体プラズマ / InSb / サブミリ波 / 周期構造線路 |
Research Abstract |
昨年度に続き、まずn型InSbの薄板を挿入した二層構造導波管のサブミリ波の伝搬特性を、横磁界中で液体窒素温度から常温まで温度を変えて測定して、p型InSbの場合と同様、従来70GHz帯で検討が行われていた表面遅波共鳴現象が526GHzのサブミリ波においてもまったく同様に生じ、大きな非可逆性が現れることを確認した。この実験結果は対応する理論解析ときわめてよく一致した。 続いて、p型InSb薄板に電流端子を設けたものを挿入した二層構造導波管の671GHzのサブミリ波透過特性を測定し、透過電力が印加電流によって大きく変化し、0.3Tの横磁界中ではおよそ900mAの電流によりサブミリ波の透過に大きな変化が現れることを確認することができ、また結果は対応する理論解析と非常によく一致した。これにより、p型InSbを挿入した二層構造導波管のサブミリ波の伝搬を高速で制御する可能性が示された。また、特にp型InSb中に細いプラズマ柱を発生させた場合を仮定して671GHzのサブミリ波透過特性のFDTD法による解析を行い、上記の実験結果との比較を行って、定性的な一致を得た。 一方、このような磁化プラズマ柱を周期的に装荷した場合に対する予備的な検討として、プラズマを挿入した70GHz周期構造線路のFDTD法による解析と実験を行い、プラズマ密度と磁界によって制御可能なフィルターとしての可能性を見出した。さらに、磁化プラズマ柱を用いたサブミリ波帯の回折素子の可能性を検討するためため、70GHzで予備実験を行い、プラズマ密度と磁界により電磁波の散乱方向を制御する可能性を見出した。なお、プラズマがさらに多様な分布を採った場合の検討は現在の段階では残念ながら不十分に終わったが、現在サブミリ波帯で、FDTD法を用いて検討を進めている。 これらの結果は現在3編の論文に取り纏め中である。
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