1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09680464
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
林 康明 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (30243116)
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Keywords | クーロン結晶 / 微粒子 / 微粒子プラズマ / ミー散乱 / エリプソメトリ / 結晶構造 |
Research Abstract |
微粒子プラズマ中のクーロン結晶の立体的構造変化を解析するため、メタンプラズマ中で成長する微粒子の粒径をミー散乱エリプソメトによりモニタリング・制御しながら、上と横の2方向から同時に同位置をCCDビデオカメラを用いて観察した。その結果、まず微粒子の粒径が小さい(1.2〜1.5μm)ときは面心立方や体心立方の3次元的構を、大きい(>1.8μm)ときは単純六方の2次元的構造をとることがわかった。 3次元構造のクーロン結晶の格子定数を精密に調べた結果、正確にはこれまで考えられてきた体心立方格子ではなく面心斜方格子であることがわかった。また、電極面に平行に形成された格子面内での微粒子の移動は垂直方向よりも起こりやすいことがわかり、格子面全体が移動する"すベり"の現象も観察された。これより、一旦、(111)面が電極面に平行に形成された面心立方格子に"すベり"が生じ、さらにその面内でクーロンエネルギーが最低になるように微粒子の最配列が起きたことが、簡単な計算から理解された。 2次元の構造では、形成されたクーロン結晶中の微粒子をガス流れを利用して振り落とし微粒子の密度を減少させ、単純六方格子の格子定数の変化を調べた。その結果、微粒子密度が高いときは電極面垂直方向の格子定数の変化が大きいが、ある密度を境として水平方向の格子定数が大きく変化することがわかった。これについては、昨年度の研究実績でも示されたように、電極面垂直方向に何らかの引力の原因があり、微粒子に対してクーロン斥力との合成力が働いているためであると考えると良く理解できる。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 林康明: "強結合ダストプラズマの結晶化と遷移" プラズマ・核融合学会誌. 73,11. 1230-1234 (1997)
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[Publications] 林康明: "プラズマ中のダスト挙動の解析とクーロン結晶の形成" 真空. 41,9. 782-789 (1998)
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[Publications] 林康明: "グロー放電プラズマ中での微粒子成長とクーロン結晶の形成" エアロゾル研究. 13,3. 209-214 (1998)
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[Publications] K.Takahashi: "Analyses of attractive forces between particles in Coulomb crystal of dusty plasmas by optical manipulations" Phys.Rev.E. 58,6. 7805-7811 (1998)
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[Publications] K.Takahashi: "Simple Hexagonal Coulomb Crystal near a Deformed Plasma Sheath Boundary in a Dusty Plasma" Jpn.J.Appl.Phys.37,12A. 6609-6614 (1998)
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[Publications] Y.Hayashi: "Strongly Coupled Coulomb Systems" Plenum Press, 4 (1998)