1997 Fiscal Year Annual Research Report
多次元ソリトンの構造調査と、キャビトンとの相互作用に関する実験的研究
Project/Area Number |
09680465
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
森 一郎 徳島大学, 工学部, 教授 (90035600)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森本 敏文 託間電波工業高等専門学校, 情報通信工学科, 助教授 (30044689)
|
Keywords | Soliton / Caviton / Wave / Plasma |
Research Abstract |
理論では空間一次元のソリトンの性質はよく知られている。しかし一次元では、実際的とは云い難い。実在するソリトンは多次元(三次元)であるからである。我々は電子ビームで作られたプラズマ中の三次元ソリトンを実験的及び理論的に調べ、現時点で以下に述べる総轄を行った。 まず実験では、ミラー磁界の存在が重要と考え、中央部のプラズマ密度の高い領域からビームに沿ってやや下流の、高域混成波の強度が異常に大きい箇所を調査した。混成波の群速度が電子ビームと逆方向であり、密度の高い部分で群速度が零になる所が存在しエネルギーが蓄積される事が考えられる。エネルギー密度が高いため、非線形現象(ソリトン発生)が起きたものとみられる。ソリトンの振幅は2Vに達するものもある。 またこれまで混成波強度が異常に強い場所近傍の、強度の位置勾配が最大になる位置付近にイオン波が局在する構造を見出していたが、今回、電子ビーム電流のイオン周波数変動とソリトンの出現とが同期している現象を発見した。イオン波は三角波で現れ、イオン波の負電位の時にソリトンが発生する。この事はソリトンとイオン波との間の強い相互作用の存在を示し、電子ビームは制動輻射を行うものと考えられる。この事が、Sageevらの主張しているキャビトン(イオン波)とソリトンとの強い相互作用をもたらすとも考えられる。 更に我々は繰り込み理論でビーム電子がソリトンを放出するに至る過程を解析した。結果の要約は次の様になる。(1)ソリトンは電子ビームと同じ周波数と波数とで強い相互作用を行う事によってソリトン自身が発生できる。(2)強い相互作用による共鳴幅の増加を表す自己エネルギー項の考察から、もし何らかの遅延機構、例えばイオンとの相互作用が働かなければソリトンは生まれない。(3)電子ビームはソリトン放出に際し急激に減速する事が予想され、減速に要する時間は約0.1μsの桁であり、ソリトンの持続時間幅も同程度になる。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] I.Mori and T.Morimoto: "Coherent Structure Emitted by an Electron Beam in a Beam-Plasma System" Proceeding of the International Conference on Phenomena in Ionized Gases. Vol.4. 266-267 (1997)
-
[Publications] P.K.Schukla ed.I.Mori(一部執筆): "Advances in Dusty Plasmas" World Scientific Publishing Co Pte Ltd., 総546頁(担当4頁) (1997)