1997 Fiscal Year Annual Research Report
アクチノイドと地下水中の無機・有機懸濁物質との相互作用に関する研究
Project/Area Number |
09680472
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山崎 浩道 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00166654)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杤山 修 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (70005479)
松山 成男 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (70219525)
石井 慶造 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00134065)
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Keywords | アクチノイド / フミン酸 / 金属水酸化物コロイド / 荷電粒子励起X線放射 / 微量金属定量分析 / ポリカーボネート薄膜 |
Research Abstract |
本研究では、地下水中のアクチノイドの挙動を評価するための基礎データを得るために、フミン酸や金属水酸化物コロイドに対するアクチノイドの分配挙動を種々の溶液条件で測定する。コロイド粒子に吸着したアクチノイドは、実験系を乱さないようにnuclepore filter上に捕集し、そのまま荷電粒子励起X線放射(Particle-Induced X-ray Emission : PIXE)分析することによって、コロイドの金属成分と合わせて定量する。この目的のために今年度は、PIXE分析装置に最も適した大立体角X線検出器システムの開発製作およびアクチノイドとコロイド金属成分のPIXE分析法の確立と定量性の確認を行った。 大立体角X線検出器システムとしては、Si(Li)半導体検出器1台と2台のSi-PINホトダイオード検出器を大気中PIXE分析装置の試料台上に最適に配置して、3台の検出器からの信号を同時に処理できるものを作製した。その結果、5-15keV領域のX線検出効率が、Si(Li)半導体検出器1台の従来のシステムに比べて10倍以上に向上出来た。コロイド金属成分のPIXE分析については、塩化銀を内標準物質に用いた3MeV proton 3μC照射で、nuclepore filter上に捕集した鉄コロイドが数ppb〜ppmにわたって定量可能であることを確認した。また、低バックグランドのターゲット支持膜としてポリカーボネート薄膜(膜厚<0.3mg/cm^2)の調製法を確立した。この膜上で0.1mlの溶液を乾燥させた試料をPIXE分析(3MeV proton 6μC照射)することによって、1x10^<-8>M程度の希薄な濃度までTh^<4+>,UO^<2+>_2イオンが定量できることを確認した。また、フミン酸のアルカリ溶液を用いて同様に調製したターゲットのPIXE分析では、フミン酸中の微量金属成分が高感度で定量できることを確認した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] H.Yamazaki, et al.: "Determination of Heavy-Metal Concentrations in Water by PIXE Analysis Using Zrasan Intermal Standard" International Journal of PIXE. 7・1&2. 31-44 (1997)
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[Publications] H.Yamazaki, et al.: "Preparation of Thin Polycarbonate Film and its Application to PIXE Analysis Anionic Elements in Water Samples" International Journal of PIXE. 7・1&2. 101-108 (1997)