1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09680481
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
井上 正二 大阪大学, 工学部, 助手 (10203233)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀池 寛 大阪大学, 工学部, 教授 (20252611)
宮崎 慶次 大阪大学, 工学部, 教授 (40029202)
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Keywords | 金属ナトリウム / 燃焼 / 消火 / 液体窒素 / 窒素ガス / 酸素濃度 |
Research Abstract |
ナトリウムの燃焼は非常に高温(約760℃)な上に酸化ナトリウムや過酸化ナトリウムなどのエアロゾルが多量に発生し高熱と有毒ガスに加え視界不良の状態を伴って激しく火焔をあげる。また燃焼時はナトリウムは液体となる(融点97.8℃)。そのために流動性が高く少しの燃焼床の勾配によって燃焼表面が広がりより激しい燃焼となる。ただし、燃焼生成物は固化温度が高く液状ナトリウムの流動拡散を妨げる。実験は燃焼皿の上にナトリウム50gを置き、下部よりヒーターで加熱して点火する。点火後ヒーターを切り自己燃焼させる。自然対流による新鮮な空気の補給を制限したり、酸素濃度や絶対温度を制御した空気を送入して燃焼の状態を測定、観察した。 1.大気中自然燃焼 : 200℃で固体表面を覆っていた酸化膜が破れ溶融ナトリウムが流れ出て250〜400°で発火する。平均760℃で燃焼し最高温度は790℃になった。エアロゾルとして6〜8%が飛散した。 2.大気流入抑制燃焼 : 燃焼室に流入する新鮮な空気を制限して燃焼を抑制すると最高温度の低下が見られる。しかし、燃焼室上部開放面積の1.5%の開口率では消火せずゆっくりであるが最後まで燃えた。 3.大気成分調節燃焼 : 酸素濃度が下がると燃焼は穏やかになっていくが5%酸素濃度では消火しない。酸素を抑制した燃焼では燃焼残留物はスポンジ状にふっくらとしたものになる。大気の絶対湿度(大気中水分量)を変えても燃焼状態にさして影響しない。 4.窒素ガス消火:窒素ガスを注入し燃焼室に充分に満たされると消火する。しかし、注入の仕方によって大気を攪拌して一時燃焼が激しくなることがある。注入停止後、消火されたナトリウムの温度が250℃以下であれば新鮮な大気が入ってきても再燃焼は起こらない。 5.液体窒素消火 : 液体窒素を注入すると一気に温度が低下し、燃焼室が窒素で満たされるため瞬時に火焔は収まる。しかし、低下時の温度が250℃以下になっていないと新鮮な大気が流入すると再燃焼する。しかし有効な消火法である。
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