1998 Fiscal Year Annual Research Report
GSOシンチレーターによる超低バックグランド放射線計測
Project/Area Number |
09680483
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
桑折 範彦 徳島大学, 総合科学部, 教授 (20038053)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伏見 賢一 徳島大学, 総合科学部, 講師 (90274191)
中山 信太郎 徳島大学, 総合科学部, 教授 (70116846)
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Keywords | シンチレーター / 低バックグランド測定 / GSO / 蛍光発光メカニズム / 環境中性子 / 波形分析 |
Research Abstract |
本研究では、最近開発されたGSOシンチレーターを環境γ線、環境中性子の計測に応用するために、混入放射性同位元素による計数を弁別し、超低バックグランドを実現することを目的としている。具体的には、(1)GSOシンチレーターの中のCe濃度と出力波形の関係について研究する。(2)GSOシンチレーターを環境γ線、環境中性子の計測に応用する低バックグランドの可能性を検討する、の点である。 (1) GSOシンチレーターに混入している放射性元素からのα線とγ線を弁別することで、超低バックグランドの計測を目標としていた。これに対して、放射線の種類によって、蛍光の出力波形が異なるかどうかを、波形測定の方法を開発した上で、Ce濃度への依存性も含めて測定した。開発した波形測定のシステムは今後広い応用が考えられる。GSOシンチレーターによるα線とγ線の弁別は、現在のところ充分な蛍光減衰時間の差が見られないとの結果となった。更に、温度依存性など異なったパラメータでの検討が必要である。 (2) GSOシンチレーターの熱中性子に対する応答についてその特性を検討し、Gd-157の熱中性子捕獲反応の結果の79.5keVのγ線のピークが確認でき、14%の高い効率で中性子検出が可能との結果を得た。環境中性子など微量の中性子計測などへの応用が広がると考えられる。 以上、GSOシンチレーターの低バックグランド計測に関して総合的な研究成果が得られた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] T.Iwawaki他: "“Nuclear Rare Decays Studied withGSO Scintillator"" 徳島大学総合科学部紀要Natural Science Research. 11. 1-6 (1998)
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[Publications] S.Nakayama他: "“GSO-Detector System“NYMPHS"for (Li,Be-gamma)Reaction at Intermediate Energies"" Nucl.Instr.and Meth.A404-1. 34-40 (1998)
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[Publications] H.Yoshida他: "“Absolute Efficiency of a Stacked GSO(Ce)Spectrometer for Intermediate Energy Protons"" Nucl.Instr.and Meth.A411-1. 46-50 (1998)