1998 Fiscal Year Annual Research Report
リップルトカマク/ヘリカル系プラズマにおける三次元MHD平衡とプラズマ電流の影響
Project/Area Number |
09680490
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
中村 祐司 京都大学, 大学院エネルギー科学研究科, 助教授 (20198245)
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Keywords | リップルトカマク / ヘリカル系プラズマ / MHD平衡 / 磁気島 / プラズマ電流 / ヘリオトロン |
Research Abstract |
本年度はリップルトカマクにおいて、トロイダルリップルがMHD平衡と粒子軌道及び新古典輸送現象、特にブートストラップ電流に与える影響を調べるために、解析計算コードの整備と開発を行った。これらを用いてまず負磁気シアを持つ高ベータ低アスペクト比トカマクの解析を行った。解析はリップルのない軸対称配位に対して行ったが、この解析はそのままリップルを考慮して行うことができ、リップルの影響を調べる比較対象となる。ここではプラズマの楕円度と三角度が交換型不安定に及ぼす影響を明らかにするとともにブートストラップ電流をDKESコードを用いて大アスペクト比近似を行わずに評価した。一方リップルを考慮した三次MHD平衡計算を低ベータ高q円形断面リップルトカマクに対して行い、得られた平衡を用いて高エネルギーイオンの粒子軌道解析、特にリップル捕捉粒子の軌道損失と径電場の効果について調べた。このように本研究により、トカマクにおけるリップルの影響を調べる解析コードは整備できたので、今後より詳細な解析と自由境界平衡計算が必要だと考えられる。 ヘリカル系プラズマにおいては有限ベータで磁気島が形成するおそれのある低磁気シアのヘリカル系磁気軸配位の平衡と粒子軌道のプラズマ電流依存性に興味があり、対象としてL=1ヘリカル軸ヘリオトロン配位の予備的な解析を行った。この研究を更に進め、有限プラズマ電流の影響を明らかにすることは今後の課題である。 今年度はさらに入れ子状の磁気面の存在を仮定しない三次元MHD平衡コードPIESを導入し、LHD装置のプラズマに対してテスト計算を行い、動作を確認した。また、コードの改良に対する検討を行い、改善の見通しを得ることができた。今後PIESコードを実際に改良し、リップルトカマクとヘリカル系プラズマの自由境界平衡計算に用いる予定である。
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[Publications] M.Furukawa: "Local Stability of High Beta Low Aspect Ratio Tokamak with Negative Shear" Journal of Plasma and Fusion Research. 74巻6号. 598-606 (1998)
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[Publications] M.Wakatani: "Studies of Helical-Axis Heliotron" Nuclear Fusion. (掲載予定).