1997 Fiscal Year Annual Research Report
高次補食者をプラットフォームとした海洋環境変動のモニタリング
Project/Area Number |
09680497
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
綿貫 豊 北海道大学, 農学部, 助教授 (40192819)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内藤 靖彦 国立極地研究所, 教授 (80017087)
樋口 広芳 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (10111486)
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Keywords | 海洋環境 / モニタリング / 海鳥 / 採餌 / バイオテレメトリー |
Research Abstract |
ウ類は高い潜水能力をもち底魚を捕食する。彼らは大型であるため餌要求量が大きく、繁殖期中は採食範囲が限定される。そのため、沿岸海洋生態系の環境変動に依存して大きく採食行動を変えると同時に、沿岸海洋資源に与える地域的なインパクトはかなり高くなると推定されているが、その採食場所を直接測定した研究は少ない。彼らの採食場所の変動性を明かにするため、北海道天売島に繁殖するウミウ材料として、育雛期における採食場所を、2ヵ所に八木アンテナを設置したラジオトラッキングシステムによって測定した。1997年の6月に野外実験を実施し、観察時間の90%以上でウミウの採食位置が特定できた。ウミウは島の東側の北海道本土までの水深60m以下の浅い海域で主に採食し、西側の大陸だな斜面には出かけていなかった。コロニーから採食場所までの最大距離は30kmほどで、本土沿岸に達していた。採食場所は、島周辺と本土沿岸部に集中する傾向があった。1回の採食トリップではほぼ1ヵ所でのみ採食し、その場所を変えることはまれであった。採食場所に個体変異がみられ、島からそれぞれ北東方向あるいは南東方向の本土沿岸部で採食する個体、島周辺部で採食する個体、特定の採食場所を持たない個体が観察された。このように、ウミウの採食場所は水深と繁殖地からの距離に制限されており、個体毎に固定されている傾向がみられた。また1996年におこなわれた同様の調査と比較すると、比較的よく底魚を捕食した1996年には全ての個体が本土沿岸部で採食したが、浮魚も捕食した1997年には半数の個体が島周辺で採食した。したがって、採食場所の変化は浮魚資源の変動を反映しているらしいこと、採食場所の変化は個体レベルでおこることの2点が明かとなった。
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