1998 Fiscal Year Annual Research Report
多雪海氷域での特異な海氷成長過程の解明とその普遍性の検証
Project/Area Number |
09680498
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
河村 俊行 北海道大学, 低温科学研究所, 助手 (50091434)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
榎本 浩之 北見工業大学, 工学部, 教授 (00213562)
大島 慶一郎 北海道大学, 低温科学研究所, 助教授 (30185251)
白澤 邦男 北海道大学, 低温科学研究所付属流氷研究施設, 助教授 (50196622)
石川 信敬 北海道大学, 低温科学研究所, 助教授 (70002277)
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Keywords | 海氷 / 積雪 / 海氷成長過程 / 海氷構造 / 大気-海氷-海洋相互作用 / 熱収支 / 表面融解 / マイクロ波放射計 |
Research Abstract |
海氷は極域の大気ー海洋間の相互作用に多大な影響を及ぼす。これまで海氷上の積雪は海氷の成長を抑制すると考えられてきた。しかし、南極昭和基地周辺のリュツォ・ホルム湾内の多雪域では、積雪は海氷の成長を促進しており、その特異な成長に積雪の融解が関与していることが示唆された。この様式での成長過程とその普遍性を解明するため、以下の観測を行った。 1. 海氷の構造・塩分等を測定し、その成長過程を推定する目的で、オホーツク海の南西域で海氷と積雪のサンプルを採取した。 2. サロマ湖において、(1)塩分濃度が徐々に変化する河口から湖口の側線で、海氷と積雪のサンプルを採取した。海氷の構造・塩分等を測定し、母海水濃度による海氷構造の変化や、海氷成長に対する積雪の関与を検討した。(2)氷上に定点観測基地を設け、海氷下の海洋構造の測定、積雪・海氷・海水中の温度分布の測定、海氷上・中・下の照度分布のを実施した。(3)波長別反射率・透過日射量の海氷厚依存性、熱収支成分(放射収支、顕熱伝達量、水蒸気輸送にともなう潜熱伝達量、海氷成長による潜熱量)の現場観測を実施した。 3. 南極ロス海や北極グリーンランド海において海氷のサンプルを採取した。 4. 科学技術庁防災科学技術研究所の雪氷防災実験棟で室内実験を行い、成長過程を解明する可能性について検討した。 5. 衛星観測では、(1)サロマ湖等で結氷過程と表面状態の変化に対する積雪の影響について衛星データを使って調査した。(2)オホーツク海では、サハリン北部沿岸の定着氷域に注目し,マイクロ波データにおける多積雪を示すシグナル,融解を示すシグナルの検討を行った。 今冬の現場観測は終了したが、サンプル・データは現在解析中である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] N.Ishikawa: "Changes of the heat and radiation properties with sea ice growth" Proc.13th Intl.Symp.Okhotsk and Sea Ice. 106-111 (1998)
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[Publications] K.Shirasawa: "On the modeling of Okhotsk sea ice thickness" Proc.13th Intl.Symp.Okhotsk and Sea Ice. 87-98 (1998)
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[Publications] K.Shirasawa: "Interannual variability in the sea ice of Saroma-ko lagoon,Hokkaido,Japan" Proc.2nd Intl.Conference on Climate and Water,Espoo,17-20 Aug.1998. Vo1.3. 1147-1156 (1998)
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[Publications] K.Shirasaki: "Observation of sea ice conditions under visible and near-infrared channels in MOS-1/MESSR and ADEOS/AVNIR" Polar Meteorol.Glaciol.Vo1.12. 86-96 (1998)
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[Publications] T.Toyota: "A measurement of sea ice albedo over the southeastern Okhotsk Sea" J.Meteor.Soc.Japan. Vo1.77・No.1. 117-133 (1999)