1998 Fiscal Year Annual Research Report
光合成生物であるらん藻の突然変異の分子レベルでの特異性
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09680525
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
滝本 晃一 山口大学, 農学部, 教授 (00115875)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田野 恵三 京都大学, 原子炉実験所, 助教授 (00183468)
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Keywords | 活性酸素 / 酸化的傷害 / シアノバクテリア / 紫外線感受性 / 突然変異 / 塩基置換 / DNA傷害 / 光増感反応 |
Research Abstract |
ラン藻の環境変異現感受性やDNA修復能力については無論、変異の特性についても全く知られていない。本年度は、昨年度得られた技術的基盤をものに、変異研究用プラスミドの作成、紫外線感受性、DNA修復能力、活性酸素傷害誘発変異の特性について検討した。 pUC303は大腸菌とSynechococcusの双方で複製できるシャトルベクターである。ラン藻で起こったDNAの変異を大腸菌でアッセイするために、これに大腸菌のcrp遺伝子を組み込むことに成功した(pUCRPk6)。次にラン藻に導入して複製させた後プラスミドの回収を試みたが、収量が極めて悪いこと、不純物が多く制限酵素処理ができないことが分かり、一旦recA大腸菌に入れてサニタリングする必要のあることが分かり、これで得られたプラスミドをアッセイ用crp欠損大腸菌に入れて糖代謝の有無を調べた。ラン藻への導入効率が悪く10^<-4>程度と推定される変異を得るには、改良が今後の課題である。紫外線感受性は野生型大腸菌に比べて著しく抵抗性であった。 しかしこれは修復の結果よりも色素による紫外線吸収と考えられる。紫外線照射したpUCRPk6をラン藻と野生型大腸菌に導入してコロニー形成率で修復の程度をみたところ、ラン藻の方が100倍程度小さかった。ラン藻の除去修復能力は小さく主として光回復に依存しているのかもしれない。 活性酸素によるDNA傷害は全ての生物の老化や死の原因といわれる。8-oxoGはしぜん変異のさらには発がんや老化の原因と言われる。酸素毒性のモデルとしてこれを特異的に生成するリボフラビン光増感反応による変異を調べた。塩基配列解析の結果、GC to TA塩基置換が最も多く観察され、8-oxoGが原因損傷と考えられる。他にGC to CGがみられ、G:X対合する別のG損傷の存在が示唆された。また、Xは酸化的条件で時間とともに増加すること、MutYタンパク質の基質になりうることことが推定された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Mon,T.: "Formation of 8-hydroxyguanineand 2,6-diamino-4-hydroxy-5-formamidopyrimidine in DNA by riboflavin mediated photosensitization" Bichem.Biophys.Res.Commu.242. 98-101 (1998)
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[Publications] Tano,K.: "Specificity of mutations induced by riboflavin mediated photosensitization in the supF gene of Escherichia coli" Mutation Res.420. 7-13 (1998)