1998 Fiscal Year Annual Research Report
付着場併用による余剰汚泥引き抜きの不要な新しい活性汚泥法の確立に関する研究
Project/Area Number |
09680553
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Research Institution | KANAZAWA INSTITUTE OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
安田 正志 金沢工業大学, 工学部, 教授 (00089012)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 規之 金沢工業大学, 工学部, 助教授 (40196853)
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Keywords | 活性汚泥法 / 芯入りひも状担体 / 付着場併用 / 余剰汚泥低減化 / 原生動物 / 後生動物 / TOC負荷 |
Research Abstract |
1. 本研究は、活性汚泥法の曝気槽に微生物媒体の1種である「芯入り紐状担体」を組み込み、原生動物や微小後生動物を生息させ、汚泥に対する補食作用を活用することにより、汚泥の引き抜きの不要なシステムの開発と確立を目的とする。 2. 実験室にベンチスケールの装置を設置し、スキムミルクを主成分とする合成排水により主として流入TOC負荷を変化させて長期間の運転実験を行い、TOC除去性能、反応槽内の汚泥量の状況、窒素除去性能、さらには原生動物や微小後生動物などの検鏡を行った。 3. その結果、本年度において次のようなことが解明された。 (1)汚泥を引き抜かない運転によってもTOC除去性能は、流入TOC負荷0.36〜2.3gTOC/1・日の範囲でTOC除去率約97%に達するものであった。汚泥の流出による影響はSRTとして110日程度となり無視しうる程度であった。(2)反応槽内における汚泥量は、流入TOC負荷、ないし流入TOC濃度に比例して増大し、一方では原生動物や微小後生動物などの存在量は汚泥量に比例するとして、それぞれ動力学的係数を算定できた。(3)原生動物や微小後生動物などの汚泥の捕食、さらに汚泥の自己分解によると見られる窒素成分の溶出が認められた。しかし、本システムでは硝化、脱窒がほぼ完全に進行しており、処理水窒素濃度の上昇を抑制する機能が認められた。(4)汚泥の沈降性について4段連続実験と2段連続実験の結果を比較考察すると、全体的傾向としては4段連像実験装置では糸状細菌は見られず、バルキングが発生しにくいように見られた。
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