1999 Fiscal Year Annual Research Report
都市域における大気環境モニタリングシステムの新構築に関する研究
Project/Area Number |
09680559
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Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
若松 伸司 国立環境研究所, 地域環境研究グループ, 総合研究官 (70109502)
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Keywords | 大気環境質 / モニタリング / 光化学オゾン / 窒素酸化物 / 一酸化炭素 / 炭化水素 / 有害化学物質 |
Research Abstract |
都市の大気環境管理やリスクアセスメントの目的の為に新しい都市の大気環境モニタリングシステムの構築が必要となっている。平成11年度においては、広域大気汚染のモニタリングと、狭域大気汚染のモニタリングを中心に検討した。 (1)モニタリングステーションの広域配置を検討するために20年間に亘る大気汚染データのトレンド解析を行った。解析の結果、東京首都圏地域や近畿地域等の大都市域に於いては、都心地域に比べて郊外地域において大気汚染濃度が相対的に上昇している事が分かった。これと共にオキシダント濃度の年平均値が都市地域において、1ppb/年程度の割合で増加している事が明らかとなった。この傾向は比較的空気が清浄な地域に於いても認められた。また日本海側を中心とする地域でナイトレートの降下量が増加している。 (2)自動モニタリングシステムの開発とこれを用いたデータの収集・解析を行った。また地上における自動モニタリングシステムの妥当性を検討する為に航空機を用いた立体分布測定データの解析・評価を行った。 (3)モニタリングステーションの最適配置や地域代表性の評価に当たっては問題とする道路空間内部における大気汚染濃度分布を明らかにする必要がある。従来こうした問題に対してはJhonsonによって提案されたSRIモデルがあるのみであったが、用いる係数の設定によって結果が大きく変わったり、道路形状や大気安定度の変化に対応できないなど種々の問題があった。昨年度は任意の道路条件にたいする予測手法を定式化したが、本年度はこの予測式の適用範囲をさらに広げるために、建物高さによるストリートキャニオン内部の流れと大気汚染物の拡散の関連についての風洞実験結果を解析・評価した。
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