1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09680579
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Research Institution | Tokyo Polytechnic University |
Principal Investigator |
山延 圭子 (高橋 圭子) 東京工芸大学, 工学部, 助教授 (00188004)
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Keywords | NMR / シクロデキストリン / 水素結合 / 包接化合物 / 自己集合 / フコース |
Research Abstract |
シクロデキストリン(CD)を規則正しく並んだ多数の水酸基を水素結合テンプレートとして着目し、これまで集積しつつあるCDの合成手法とデータを基盤として、数個の水素結合をCDの立体構造に反映させた水溶液中での分子認識系を創製する。さらにNMRあるいは分光光度計で水素結合を定量的に評価することを目的として研究を遂行した。研究成果は次の2点である。 (1) 線状分子集合体の一般化と構造解析:昨年度、疎水性基として脂肪族化合物を修飾した6-mono-N-tert-butoxycarbonylglycylamino-β-CDの修飾基が自らのCD空洞に包接されず、他のCD空洞に包接されることを発見した。類縁体をいくつか合成して構造解析を行った結果、Bocアミノ酸であれば、芳香族アミノ酸(Tyr,Phe)でもBoc基が他のCD空洞に包接され線状分子集合体を形成することが判明した。これらの光吸収基は分子集合体の外部に位置しており、目下、その光増幅機能について検討中である。(第16回シクロデキストリンシンポジウム(秋田)にて発表、第15回機能性ホスト・ゲスト研究会、日本化学会第76春季年会で発表予定)。 (2) 集合体形成による不斉認識:フコースがγ-CDと組成比8:1程度で集合体を形成し、沈殿する事を昨年発見したが、さらにL-フコースのみを選択的に沈殿させることが判明した。CD空洞の水酸基との相互作用が働いていることが推測されている。これに関連して現在特許申請中である。 現段階では雑誌論文での発表はないが、現在上記2点に関してそれぞれ投稿準備中である。
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