1997 Fiscal Year Annual Research Report
神経細胞変性修復剤を目指した神経突起伸展物質に関する化学的研究
Project/Area Number |
09680582
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
福山 愛保 徳島文理大学, 薬学部, 教授 (70208990)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡崎 宏司 大塚製薬(株), 細胞工学研究所, 研究員
三並 博行 徳島文理大学, 薬学部, 助手 (20229769)
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Keywords | 神経栄養因子 / 神経突起伸展物質 / ラット胎児脳神経培養 / フロログルシン / テルペン / 芳香族化合物 / パラジウム / 植物組織培養 |
Research Abstract |
今まで外部機関に依頼していたラット胎児大脳半球由来初代神経培養系の確立を目指して,培養条件と定量的評価法を検討した.その結果,今まで問題になっていた神経細胞の死滅は,摘出した大脳半球を低温保存することで,防ぐことができるようになった.また,再現性に乏しかった神経培養は培養細胞数を減らすことで大幅に向上した.さらに,神経特異的染色(neurofilment antibody)とレーザー顕微鏡を組み合わせることで,神経突起伸展の定量的な評価法が確立でき,神経突起伸展物質の探索が迅速に行えるようになった. 神経突起伸展活性を示すマステイオフイランAと大環状bisbibenzyl類プラジオチン類の合成の鍵となる分子内ビアリール結合は,Pd(0)触媒下鈴木反応を適用することで,成功した.現在収率向上のための反応条件を検討している.さらに,ワサビ過酸化酵素を使ったビアリールカップグ反応を検討中で,分子間では期待したビアリール形成が起こる有益な結果が得られた.今後,この酵素反応を分子内でのビアリール結合に展開する予定である. 新規活性化合物探索としては,フクギ,サンゴジュ,ハリスツルマサキおよびトキワギョリュウからフロログルシン誘導体garusubllin A〜E,ジテルペンneovibsanin H,Iおよび数種のオレアナン型トリテルペンが単離できた. 一方,植物組織培養の利用は予定通りに進んでいないが,唯一アメリカヤマゴボウのカルス化とその大量液体培養に成功しいる.目的としたamericano1類の産生は確認できない代わりに,多様なトリテルペン配糖体が生産されることを見出した.現在,トリテルペン配糖体の単離と構造を検討中である.
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[Publications] Yoshiyasu Fukuyama: "Enatioselective Synthesis of Octalactin A" Chem.Lett.2. 117-118 (1997)
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[Publications] Yoshiyasu Fukuyama: "Absolute Structure of Vibsanins B and C, and Their Chemical Correlation" Tetrahedron Letters. 38・8. 1435-1438 (1997)
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[Publications] Yoshiyasu Fukuyama: "Garsubellin A, a Novel Polyprenylated Phloroglucin Derivative Increasing Choline Acetyltransferase (ChAT) Activity in Culture of PIO Rat Spetal Neurons" Chem. Pharm. Bull.45・5. 947-949 (1997)
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[Publications] Yoshiyasu Fukuyama: "Bicycloillicinone Asarone Acetal, A Novel Prenylated C6-C3 Compound Increcasing Choline Acetyltransferase (ChAT) Activity Irom Illicium tashiroi" Planta Medica. 63・3. 275-277 (1997)
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[Publications] Yoshiyasu Fukuyama: "Synthetic Studies on Neurotrophic Isocuparane- Type Dimers, Mastigophorenes, Isolated from the Liverwort Mastigophora diclados" Phytomedcine. 3・Suppl.1. 250-252 (1997)
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[Publications] Yoshiyasu Fukuyama: "Synthesis of Cytotoxic Maesaquinone Bearing a 2,5- Dihydroxy-6-Methyl-1,4- Benzoquinone Nucleus" Tetrahedron. 53・50. 16969-16976 (1997)