1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09680586
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
吉久 徹 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (60212312)
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Keywords | 酵母 / 核膜 / タンパク質局在化 / tRNAendonuclease / Sen2 |
Research Abstract |
本年度は、まず酵母tRNA endonuc1easeサブユニットSen2pの核移行シグナル領域の同定を行った。GFP-SEN2融合遺伝子の部分欠失変異を用いた実験から、Sen2p蛋白質の171残基から278残基の間に核局在に必要な領域があるが、この領域だけでは十分でないという結果が得られた。核に局在できない欠失変異のほとんどは、細胞質の顆粒状構造に局在した。また、Sen2p配列中に見られるbipartiteNLS様配列とNES様配列は、Sen2pの局在に大きな影響を持たないものの、前者はSen2pの機能に必須であることが明らかとなった。しかし、GFP-Sen2p融合タンパク質は、核膜と言うより核質に局在しており、Sen2pが核内膜蛋白質でない可能性が示唆された。この点については、GFP融合による人為的効果なのかなど、さらなる検討が必要である。現在、新たな核内膜蛋白質の同定を目指したプロジェクトが平行して進行しており、この解析で明らかとなる新規核内膜蛋白質や、他の生物種内で核内膜に存在する既知の蛋白質をマーカーとして用いることで、新たな解析システムを構築する方向へ方向修正するべきではないかと考えている。 一方で、Sen2pが狭い範囲に限定された局在化シグナルを持たないように見えることから、Sen2pと複合体を形成する他のtRNAendonucleaseサブユニット(Sen15p、Sen34p、Sen54p)の局在、及び、それらとの共発現下でのSen2pの局在についてもGFP融合法で検討した。Sen15pとSen34pは細胞質に存在し、それらとの共発現でSen2pの核への局在は変化しない。しかし、GFPに融合したSen54pは、自身が典型的なNLS配列を持つにも関わらずmitochondriaへの局在を示し、Sen2pと.共発現するとSen2pの一部がSen54pと同様mitochondriaに局在化することが明らかとなった。現在、Sen54pの特異抗体の取得などを通じ、Sen54pの局在を詳細に検討中である。Senサブユニットに関しては、興味深い細胞内局在パターンを示すことから、本研究中で引き続き解析を続行したい。
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