1997 Fiscal Year Annual Research Report
チトクロームP450の小胞体膜局在化機構ならびに細胞内動態
Project/Area Number |
09680598
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
阪口 雅郎 九州大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (30205736)
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Keywords | 小胞体 / チトクロームP450 / 膜蛋白質 / シナプトタグミン / 蛋白質分解 |
Research Abstract |
【1】小胞体におけるTypeIシグナルアンカー配列のトポロジー形成機構:P450と同じ、アミノ末端細胞外/カルボキシル末端細胞質という膜内トポロジーを有する膜蛋白質、マウスSynaptotagmin 2との組換え体を用いて、生合成時における膜への組み込みの時期について解析し、その疎水性配列がリボソームから出てくるとすぐに膜貫通型配向をとることを証明した。また同時に、この特徴的な配向形成には、疎水セグメントのアミノ末端側に保存されているプロリン残基に富む領域のなかの少なくとも一つのプロリンが必須であることを明らかにした。 【2】NADPH-Cytochrome P450 reductaseの膜内トポロジーの決定:小胞体膜蛋白質であるNADPH-チトクロームP450還元酵素のアミノ末端部分にN-結合型糖鎖付加配列を導入した変異体を作成し、試験管内蛋白質合成系で発現させた。この変異体は膜に依存してN-型糖鎖の付加を受けたことから、アミノ末端は小胞体内腔に位置することが確証された。これによって、小胞体膜蛋白質のチトクロームP450蛋白質のスーパーファミリーに加えて、その還元酵素もアミノ末端を小胞体内腔に配置するシグナル配列(1型シグナルアンカー配列)をもつことを明らかにした。この1型シグナルアンカー配列は分泌蛋白質の膜透過にかかわるシグナルペプチドとは逆の配向を示すユニークなものである。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Gafvelin,G.: "Topological rules for membrane protein assembly in eukaryotic cells." J.Biol.Chem.272. 6119-6127 (1997)
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[Publications] Makishima,T.: "The highly conserved DAD1 protein involved in apoptosis is required for N-linked glycosylation." Genes to Cells. 2. 129-141 (1997)
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[Publications] Sakaguchi,M: "Eukaryotic protein secretion." Current Oppin.Biotech.8. 595-601 (1997)
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[Publications] Yamazaki,S.: "Identification and functional characterization of yeast Z-COP." J.Biochem.121. 8-14 (1997)
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[Publications] 阪口 雅郎: "チトクロームP450の細胞内オルガネラ膜への局在化機構" 生物物理. 37. 52-57 (1007)
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[Publications] 阪口 雅郎: "膜蛋白質の膜への組み込みと膜内トポロジー形成を支配する分子内シグナル配列の解明" 生化学. 69. 1-15 (1997)
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[Publications] Kida,Y.: "Membrane topology of NADPH-cytochrome P450 reductase on the endoplasmic reticulum." Arch.Biochem.Biophys.(in press). (1998)